2020年2月4日、ついに東京電力ホールディングスが新たな挑戦に乗り出すことが明らかになりました。これまで電力インフラを支えてきた巨人が、新たに法人向けのクラウドサービス事業へ参入します。この新サービスは、2020年4月から開始される予定です。企業が自社で抱える膨大なITシステムをクラウド上に移行させることで、サーバーの保守や運用にかかるコストを劇的に削減できるという仕組みです。
そもそもクラウドサービスとは、自前の機器を設置することなく、インターネットを経由してサーバーやソフトウェアを必要な分だけ利用する技術のことです。これまで企業は、社内にサーバーを設置し、専門的な維持管理を行う必要がありました。しかし、この移行によってその負担から解放されるのです。東電は子会社であるテプコシステムズとタッグを組み、この市場で5年後には売上高50億円という高い目標を掲げています。
なぜ今、東電がクラウドを手掛けるのか
現在、多くの日本企業が「レガシーシステム」と呼ばれる老朽化した社内システムの維持に苦しんでいます。経済産業省が警鐘を鳴らす「2025年の崖」をご存知でしょうか。これは、既存システムの老朽化やブラックボックス化を放置することで、2025年以降に最大で年間12兆円もの経済損失が発生するという予測です。多くの企業がこの課題に直面し、デジタル変革を急いでいます。
私は、この東電の動きを非常に合理的な戦略だと捉えています。長年、社会インフラを支えてきたという圧倒的な「信頼」と「知名度」は、IT分野においても他社にはない強みとなるでしょう。電力というライフラインを支えてきた企業がITインフラまで担うことで、日本企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)を強力に後押しする存在になりそうです。
このニュースを受けてSNS上では、「電力会社のIT部門なら、災害時の事業継続性も期待できそうだ」「コスト削減はどの企業にとっても切実な悩みだから歓迎したい」といった期待の声が上がっています。電力大手による市場への殴り込みが、硬直化しがちな国内のITインフラ市場にどのような変革をもたらすのか、今後の展開から目が離せません。
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