2020年1月23日に開催された大相撲初場所12日目は、今後の角界の勢力図を大きく塗り替える歴史的な一日となりました。結びの一番で土俵に上がったのは、カド番からの脱出を目指す大関の豪栄道関と、新大関への足がかりを掴みたい関脇の朝乃山関です。カド番とは、前の場所で負け越した大関が、その地位を維持するために勝ち越し(8勝以上)を求められる崖っぷちの状況を指します。ファンの熱い視線が注がれる中、結びの一番は誰もが息を呑む緊張感に包まれました。
立ち合いの瞬間、激しくぶつかり合った両者は、豪栄道関が先手を取って左前まわしを引きつける絶好の形を作ります。しかし、本来の力強い寄りが見られず、朝乃山関の懐の深さに阻まれてしまいました。八角理事長が指摘するように、度重なる怪我の影響で十分な稽古が積めていなかった体には、ここからの攻め手が残されていなかったのかもしれません。朝乃山関にがっぷり四つの体制を許すと、ベテランの懸命な抵抗も虚しく、最後は寄り切りで土俵の外へと送り出されてしまいました。
この手痛い黒星により、豪栄道関は5年半にわたって守り続けてきた大関の看板を手放すことが決定しました。試合後のインタビューで、力なく「力がなかったということ」と語った姿は、多くのファンの胸を締め付けたに違いありません。インターネット上のSNSでも、この結びの一番に対して「一つの時代が終わったような寂しさがある」といった声や、「怪我に苦しみながらも土俵に立ち続けた豪栄道に拍手を送りたい」という感動のコメントが数多く寄せられています。
ベテランが意地を見せる一方で、若い朝乃山関の躍進には目を見張るものがあり、まさに相撲界の世代交代を強く印象づける一番であったと感じます。大関という地位の重圧に耐え、長年トップ戦線で戦い抜いてきた豪栄道関の功績は、決して色褪せるものではありません。師匠である境川親方も、焦らずに下半身を作り直して再起することを期待しています。まずは残りの数日を戦い抜き、2020年3月に開催される地元・大阪場所での奇跡の復活に向けて、再び闘志の炎を燃やしてほしいと切に願います。
コメント