キャッシュレス戦国時代の終わり?スマホ決済「オリガミ」買収が突きつけた過酷な現実

いま、私たちの日常に深く浸透しつつあるキャッシュレス決済の舞台裏で、静かな、しかし確実な激震が走っています。2020年2月5日、スマホ決済のパイオニア的存在であった「Origami(オリガミ)」が、フリマアプリ大手メルカリ傘下の「メルペイ」に買収されるというニュースが駆け巡りました。華々しく登場したサービスが、なぜこの短期間で身売りという道を選ばざるを得なかったのでしょうか。

かつて、オリガミの康井義貴社長は、自身の原体験からフィンテック、つまり金融とITを融合させた革新的な技術に未来を見出し、熱い情熱を持って事業を推進していました。しかし、その輝かしい船出からわずか2年。現実は非常に過酷なものでした。2018年12月期の売上高2億2千万円に対し、営業赤字は実に25億円。巨額のコストをかけながら、資金繰りの崖っぷちに追い詰められていたのです。

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体力勝負の果てに見えた「淘汰」の波

SNS上では、このニュースに対して「一度慣れたサービスがなくなるのは不便だ」「決済アプリが多すぎて、どれを選べばいいのか分からない」といった、ユーザーとしての困惑や不安の声が相次いでいます。確かに、次々と登場する新しい決済手段に対して、私たちは「還元キャンペーン」という言葉に踊らされ、踊らされる側として消費し続けてきた側面も否めません。

キャッシュレス決済業界の激しい競争は、いまや資本力を背景にした「体力勝負」となっています。2018年頃から大手IT企業や通信事業者がこぞって参入し、QRコードを読み取って支払う「QR決済」だけで、一時20ものサービスが乱立する事態となりました。小規模なスタートアップが、潤沢な資金を持つ大手企業と真っ向勝負を挑むには、あまりにも厳しい環境だったと言わざるを得ません。

185万カ所という圧倒的な加盟店数を誇る「PayPay(ペイペイ)」などと比較すると、オリガミが提携した店舗数は約19万カ所に留まっていました。利用者からは「使える場所が少ない」という声も上がり、加盟店側も機能を持て余すという、まさに負のスパイラルに陥っていたのです。私個人の意見として、技術的には優れていても、生活に密着したサービスでは「どこでも使える」という利便性が何よりも勝るのだと痛感します。

弱者連合の行く末と、これから問われる価値

今回の買収手続きを経て、オリガミのユーザーはメルペイへと統合される見通しですが、ライバルとの差は決して小さくありません。ZホールディングスとLINEの経営統合が進む中、業界内では今回の統合を「弱者連合」と評する厳しい見方さえあります。市場拡大の裏で、淘汰の波は確実に強まっており、今後の生き残りはさらに困難を極めるでしょう。

キャッシュレスは、もはや単なる支払いの手段ではなく、生活インフラの一部です。今後、各社は単なる還元合戦から脱却し、私たちユーザーに対してどのような「新しい価値」を提供できるのか。今回の再編は、単なる企業の合併というだけでなく、私たちが真に必要とする金融サービスとは何かを、改めて突きつけているのではないでしょうか。

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