2020年2月5日現在、ビジネスの現場で欠かせない存在となったクラウドサービス市場において、米グーグルが急速にその存在感を高めています。IT業界をリードする2強、米アマゾン・ドット・コムと米マイクロソフトを猛追すべく、同社は大型投資と戦略的な企業買収を矢継ぎ早に打ち出しています。これら一連の動きの先陣を切るのは、2019年4月にグーグルのクラウド事業営業統括プレジデントに就任した、ロバート・エンスリン氏です。
独SAP出身という輝かしい経歴を持つエンスリン氏が率いるグーグルクラウドの武器は、何と言ってもその圧倒的なセキュリティーの堅牢さと、革新的な技術力にあります。特に2019年に開始した「アンソス」というサービスは、業界のゲームチェンジャーと言えるでしょう。これは「マルチクラウド」を可能にするサービスで、Googleの環境だけでなく、他社のクラウドや企業の自社サーバー上で動くシステムを一元管理できる画期的な仕組みです。
SNS上では、この「アンソス」の登場に対し「異なる環境を横断して管理できるのは非常に魅力的だ」「企業システムの複雑性が増す中で、まさに求められていた技術だ」といったポジティブな反応が相次いでいます。特定のクラウドに縛られない柔軟なシステム構築は、多くの企業の悲願であり、それを実現したグーグルへの期待値は高まるばかりです。
日本市場への深層アプローチと5Gへの展望
グーグルクラウドは現在、官公庁から金融、小売、製造に至るまで、幅広い業種へその導入を進めています。日本においても既に、ファーストリテイリングが需要予測に活用し、ふくおかフィナンシャルグループが先進的な銀行システム構築に乗り出しているのは注目に値します。エンスリン氏は、日本法人の代表に平手智行氏を招聘しました。日本企業の独特なニーズを深く理解し、デジタル変革を伴走しようとする姿勢は、顧客から厚い信頼を得るでしょう。
個人的な見解を申し上げれば、今後グーグルがクラウド市場で覇権を争うためには、単なるインフラの提供にとどまらない「価値の創造」が必須です。その鍵を握るのが、同社の最大の強みである人工知能(AI)技術です。膨大なデータをただ保管するのではなく、AIで賢く加工・分析する。この能力こそが、5Gの商用化によって爆発的に増加するデータ通信環境下で、真に差別化を生む要素になるはずです。
5Gとは、超高速・大容量、そして低遅延を特徴とする次世代通信規格です。この技術により、データの処理をサーバーの近くで行う「エッジコンピューティング」が普及します。競合のAWSが通信大手と提携を深める中、グーグルもまた通信会社との新たな連携を虎視眈々と狙っています。大型の買収や人材への積極投資など、勝負に出るグーグルの戦略が今後どのような変革を日本にもたらすのか、目が離せません。
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