副業で失敗しないために。大手企業人材とスタートアップが「価値観のズレ」を乗り越える鍵とは

2020年2月5日現在、働き方改革の推進によって副業や兼業を解禁する企業が急増しています。大手企業で磨いたスキルをスタートアップで活かす、あるいはプロジェクト単位で経営に参画するといった新しい働き方は、今後ますます一般的になっていくことでしょう。しかし、異なる文化を持つ組織同士が交わる際には、乗り越えるべきハードルも存在します。

多くの失敗例を見てきた経験から申し上げますと、異なる環境で育った人材が協業を成功させるための第一歩は、互いの価値観が異なることを認め、先入観を捨てたコミュニケーションをとることです。特に「言わなくても分かるだろう」という阿吽の呼吸を期待するのは危険です。業務上の責任範囲や期待値を言語化し、細部まで共有し合う姿勢こそが、組織の力を最大化する秘訣なのです。

スポンサーリンク

すれ違う期待値とコミュニケーションの断絶

ここで、高い実績を持つ知人がスタートアップ企業A社でアドバイザーを務めた際の事例を紹介します。彼は大手企業に在籍しながら、人脈を活かしてキーパーソンを紹介する役割を担いました。しかし、期待とは裏腹に、半年後には社内との心理的な溝が深まり、退任するという結末を迎えました。彼とA社との間には、大きな認識のギャップが存在していたのです。

SNS上でもこの件に関しては、「非常勤という立場に甘えず、自ら現場に入り込む姿勢が必要だったのではないか」といった冷静な分析や、「経営側が求める成果の基準を具体的に示すべきだった」という双方の責任を問う声が上がっています。まさに、顧客リストという「成果物」だけを求める側と、人脈提供という「手段」で貢献しようとする側の意図が噛み合っていなかった典型例と言えるでしょう。

キャリアの可能性を広げるための心得

私は、大手企業からスタートアップの経営に関わりたいと考える方々に対し、あえて次の3点を提言したいと考えます。まずは自身の専門分野に近い領域を含め、知識を横断的に広げること。次に、勉強会などを通じて起業家の視点に触れること。そして最後に、スキルアップは自らの投資として主体的に行うことです。

こうした人材の交流は、企業と個人の双方に大きな果実をもたらします。大手企業は社外での実践経験を持つ人材を保持でき、スタートアップは優秀な知見を非正規雇用で活用できます。そして何より、個人は経済的利益やキャリアパスの選択肢を大きく広げることができるのです。副業・兼業を「点」で終わらせず、自身の市場価値を高める「線」の経験へと昇華させていくべきでしょう。

コメント

タイトルとURLをコピーしました