SNSで拡散!千葉県が挑む「インフルエンサー活用」によるインバウンド集客戦略とは

千葉県内の各自治体が、海外からのお客様を呼び込むための新しい切り札として「インフルエンサー」の活用に熱い視線を注いでいます。インフルエンサーとは、SNSなどを通じて特定分野で強い影響力を持つ人のこと。彼らに現地の隠れた魅力や歴史ある見どころを、それぞれの言語で発信してもらうことで、世界中へダイレクトに認知を広げようという戦略です。2020年2月5日現在、この取り組みはまさに自治体にとって欠かせない武器となりつつあります。

象徴的な動きとして、2020年1月末に松戸市で行われたツアーをご紹介しましょう。明治時代の徳川家の邸宅を今に伝える「戸定邸」に、影響力を持つ4人のインフルエンサーが招待されました。彼らはボランティアガイドから歴史を学びつつ、甲冑を身にまとい、日本刀を手にする体験を撮影。その様子は即座にSNSへ投稿され、世界中のファンから「いいね!」やコメントが殺到しました。まさに、体験型の観光コンテンツが持つ瞬発力の凄まじさを物語っています。

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なぜ今、インフルエンサーなのか

なぜ自治体は、ホームページではなくインフルエンサーに頼るのでしょうか。その答えは、観光庁の2018年の調査に隠されています。訪日外国人が旅行前に役立った情報源として、「個人のブログ」が30.6%で最も多く、「SNS」が23.7%と続いています。一方で、地方観光協会の公式サイトを挙げた人はわずか5.9%です。公的な発信よりも、信頼できる個人のリアルな体験談の方が、現代の旅行者には強く響いているのです。

今回の松戸市のツアーでは、着付けやすし作り、友禅染体験など、2泊3日で日本文化を深掘りする内容が組まれました。米国出身の参加者は「東京に近い場所にこんな歴史的な場所があるとは」と驚きを語り、台湾出身の参加者は「現地で聞いたストーリーを交えることで、投稿の読み応えが増す」と、情報の質が重要であることを強調しています。松戸市は宿泊拠点として選ばれやすいものの、素通りされがちな現状を打破するため、こうした体験型観光のPRに知恵を絞っています。

千葉県全体の戦略と、直面する課題

千葉県もこのトレンドを見逃してはいません。県は2012年度から外国人向けモニターツアーを実施してきましたが、2019年度には初めてインフルエンサーを招聘しました。今回は東南アジアで流行の発信地となっているシンガポールをターゲットに選定し、成田山新勝寺やマザー牧場といった定番に加え、地元の「食」の魅力を強くアピールしました。やはり、その土地ならではの体験と美食は、海外からの旅行客にとって非常に強力なコンテンツなのです。

しかしながら、順調だったインバウンド市場に暗い影が落ちています。新型コロナウイルスの感染拡大です。松戸市も「観光客が減るのではないか」と不安を隠せません。実際に大型キャンセルが相次ぐなど、観光業への打撃はすでに顕在化しており、自治体は今後の戦略修正を迫られています。先行きの不透明さはありますが、東京五輪・パラリンピックという歴史的な契機に向け、関係者は「今できることを」と前を向いています。

私個人としては、この「個人の発信力」を活かす戦略は非常に賢明だと感じます。これからの観光地は、単に有名な場所を見せるだけでなく、「なぜそこへ行くべきなのか」という文脈やストーリーを、信頼できる視点から届ける必要があるからです。困難な状況下ではありますが、デジタル上の繋がりが、再び多くの人々を千葉の地へ引き寄せる道標になることを願ってやみません。

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