米中貿易摩擦で揺れる機械株!設備投資の冷え込みと業績下振れリスクに潜む市場のリアルとは?

日経平均株価が28年ぶりの高値圏を目指して力強く突き進む一方で、工作機械や機械部品といった設備投資に関連する銘柄が伸び悩んでいます。これは長引く米中通商問題が影を落とし、企業の業績を大きく下押しするのではないかという懸念が改めて強まっているためです。2019年4月から12月期までの決算発表が本格化するのを前に、市場では期待よりも警戒感が勝っている状況が見て取れます。

こうした動きに対して、SNS上では「景気のバロメーターである機械株が上がらないのは不気味だ」「実態が伴っていないのではないか」といった不安の声が広がっているようです。米中両国は2020年1月15日に貿易交渉の「第1弾の合意」に署名し、一時の休戦を迎えました。しかし、米国がこれまでに発動した追加関税は秋の大統領選挙後まで維持される見通しであり、経営者が強気になれないのも無理はありません。

象徴的な動きとして、2020年1月16日の東京市場では、空気圧機器大手のSMCや半導体製造装置を手掛けるディスコ、ベアリング大手のNTNが揃って前日比2%安を記録しました。ベアリングとは、回転する軸を支えて摩擦を減らす、機械には欠かせない重要な「軸受」部品のことです。これらの銘柄は、昨年秋から年末にかけて業績回復への期待感から日経平均を上回る上昇を見せていただけに、今回の調整はショックを伴っています。

投資意欲の冷え込みを裏付けるデータも相次いでいます。日本工作機械工業会が2020年1月15日に発表した2019年12月の受注額は、なんと15カ月連続で前年同月を下回りました。さらに、米国で発表されたISM製造業景況感指数(製造業の購買担当者にアンケート調査を行い、景気の動向を数値化した指標)も、2009年6月以来の低い水準へと大きく落ち込んでいます。

こうした環境下で、証券アナリストたちの業績予想を数値化した「リビジョン・インデックス」の動向に注目してみましょう。5G需要に沸く電機・精密セクターや、復調の兆しが見える自動車セクターがマイナス圏を脱出するなかで、機械セクターは2020年1月9日時点でマイナス43と、その落ち込みが突出しています。これでは、リスクを恐れる投資家が手控えるのも当然と言えるでしょう。

私は、現在の市場はこれまでの「景気底打ちへの期待感」だけで株価が上がるフェーズから、企業が実際に稼いだ「実績」を厳しく見極めるフェーズへと移行していると考えます。特に不透明感の強い中国市場への依存度が高い機械関連銘柄は、今度の決算で慎重な見通しを発表せざるを得ないはずです。しばらくは、この機械株の重みが相場全体の足を引っ張る展開が続く可能性を覚悟すべきでしょう。

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