伊方原発の相次ぐトラブルに四国電力社長が現場で対話―「基本徹底」で信頼回復なるか

2020年2月5日、愛媛県伊方町の伊方原子力発電所で、四国電力の長井啓介社長と現場所員たちによる意見交換が行われました。昨今、伊方原発3号機では定期検査中に立て続けにトラブルが発生しており、地域社会の不安が高まっています。今回の場は、そうした現状を踏まえ、組織全体で安全意識を再構築するために報道陣へ公開されたものです。

現場で長井社長は、トラブルの原因を究明することの重要性を改めて強調しました。特に、業務の基礎となるルールを改めて徹底し、失敗を恐れずに業務に励むよう所員を激励しています。この動きは、1月27日に長井社長が愛媛県の中村時広知事へ直接謝罪した際、「自ら現場へ赴き、所員の率直な声を聞く」と約束した方針に基づいたものです。

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原発の現場で交わされた生の声

四国電力は、伊方原発に勤務する所員360人全員と対話を行う方針を掲げています。実際に意見を交わす中で、所員からは「地域の方々への説明にどう向き合うべきか悩んでいる」といった深刻な苦悩や、「一つひとつの小さなミスさえ許されないという極限のプレッシャーを感じる」といった現場特有の重圧が吐露されました。

現在、SNS上では「安全が何よりも優先されるべき」といった原発運営のあり方を問う厳しい声から、「現場の所員も苦しんでいるはずだからこそ、組織として適切なサポートが必要ではないか」という擁護・懸念の声まで、多様な意見が飛び交っています。やはり、住民の安心は信頼があってこそ築かれるものでしょう。

相次ぐトラブルの経緯と専門的な背景

そもそも伊方原発3号機では、2019年12月26日から定期検査が実施されていました。しかし、1月12日には制御棒が約7時間にわたって引き抜かれた状態となる事態が発生。制御棒とは原子炉の核分裂反応を制御するための重要な設備で、これが適切に管理されないのは異例の事態です。

さらに、1月20日には使用済み核燃料プールにおいて燃料落下を示す警報が作動しました。実際には落下しておらず、点検装置の挿入ミスが原因でしたが、些細な機械の不具合が大きな誤解を生む危険性を露呈しました。続いて1月25日には一時的な電源喪失が発生し、非常用ディーゼル発電機が起動して約10秒で復旧しました。

非常用ディーゼル発電機は、外部電源が切れた際に原子炉を冷やすための電力を供給する「命綱」となる設備です。これが実際に作動した事実は極めて重く受け止めるべきでしょう。一連の事態を重く見ると、組織の基本動作が形骸化していないか、技術者たちが心理的に余裕を失っていないか、徹底的な自己検証が求められています。

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