地球に優しい暮らしへの関心が高まる中、エネルギー業界に新たな風が吹き荒れています。日本特殊陶業やTOTOなど、国内屈指の技術力を誇る森村グループ4社が共同出資し、2019年12月に「森村SOFCテクノロジー」が誕生しました。彼らが目指すのは、環境への負担が極めて少ない新型燃料電池の事業化です。クリーンな社会の実現に向けた第一歩として、非常に大きな期待が集まっています。
このニュースに対し、SNSでは「大手の技術が結集するのは胸熱」「我が家にも導入できる日が待ち遠しい」といった、未来の生活の変化を楽しみにする声が数多く寄せられました。
圧倒的な高効率!次世代を担うSOFCの仕組みとは
同社が手掛ける「SOFC(固体酸化物形燃料電池)」とは、セラミックスを電解質として用いる発電装置のことです。空気中の酸素と、燃料となる水素を化学反応させて電気を生み出します。従来のガス給湯器とは異なり、発電する際に地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)を排出しない点が最大の特徴です。エネルギーの変換効率も非常に高く、環境配慮が叫ばれる今の時代に最もマッチした仕組みと言えるでしょう。
すでに京セラなどのライバル企業も開発を進めていますが、森村SOFCテクノロジーの製品は「平板型」と呼ばれる平らな形状を採用しています。これにより、円柱型に比べてシステム全体を驚くほどコンパクトに収めることが可能になりました。
2025年度の家庭用参入へ!街から家へと広がるロードマップ
佐藤美邦社長が見据えるロードマップは極めて具体的です。まず計画通りに2020年度に商業施設向けの製品を出荷し、ビジネスの現場で着実に実績を積み重ねていきます。そして2025年度には、いよいよ念願の家庭用市場へと参入する方針です。お風呂やキッチンのお湯を沸かす給湯システムなどでの利用が想定されており、私たちの毎日の暮らしに密着した形で普及が進むでしょう。
設置スペースに限りのある日本の住宅事情において、前述したコンパクトさは強力な武器になります。他社の一歩先を行く優位性を確保できることは間違いありません。経済産業省の推計によると、家庭用燃料電池の市場は2030年までに国内だけで累計530万台に達すると見込まれており、そのポテンシャルは計り知れないものです。
20年の研究が裏付ける信頼性とグループの絆
一方で、実用化に向けた課題はどこにあるのでしょうか。佐藤社長は、様々な環境下でも長期間にわたって安定して動く「耐久性の向上」を挙げています。新会社としての市場実績はこれからですが、母体となる日本特殊陶業は20年にも及ぶ研究実績があり、すでに日立造船への電池供給も行っています。2017年からは大阪府和泉市などで、実際の屋外環境に近い実証実験を続けており、安全性と信頼性は十分に証明されているのです。
森村グループ初の共同事業を成功させるため、オフィスには席を自由に選べる「フリーアドレス制」を導入し、多様なバックボーンを持つ社員の交流を促しています。
編集部の一言:日本のモノづくりが起こすエネルギー革命
今回の挑戦は、単なる一企業のビジネスに留まらず、日本のエネルギー社会のあり方を根本から変える可能性を秘めています。老舗企業が手を取り合い、それぞれの強みを融合させてイノベーションを起こす姿は、日本のモノづくりの底力を感じさせます。2025年度にこの技術が私たちの自宅にやってくる頃には、電気を「買う」から「自宅でクリーンに作る」という常識が当たり前になっているはずです。新会社がグループの新たな象徴となる日を、ワクワクしながら見守りたいと思います。
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