世界中で猛威を振るう新型肺炎の影響により、操業停止を余儀なくされていた自動車部品大手の豊田合成が、中国にある主力の生産拠点を2020年2月10日から順次稼働させることを決めました。全7工場のうち6つの拠点で、来週中には生産が再開できる見通しとなっています。さらに、同じくトヨタグループに属する愛知製鋼も、同日から一部の拠点で生産をスタートさせる模様です。主要な取引先であるトヨタ自動車本体は2020年2月17日以降の稼働を目指していますが、グループ各社は一足早く動き出すことになります。
今回の決断の背景には、トヨタ以外の自動車メーカーへの供給も担っているという、部品サプライヤーならではの重要な役割が存在します。この「サプライチェーン」とは、原材料の調達から製造、配送を経て消費者の元へ届くまでの「供給網」という一連のつながりを指す専門用語です。現代のモノづくりにおいて、この網の一部でも途切れると世界規模で影響が出てしまうため、早期の復旧が不可欠でした。ネット上でも「日本の自動車産業を守るための英断だ」「現場の安全を祈る」といった、期待と応援の声が数多く寄せられています。
最初に動き出すのは、天津市で内外装のプラスチック部品を手がける天津豊田合成や、広東省の拠点などです。しかし、依然として緊迫した状況が続く武漢市を抱える湖北省のゴム製品工場については、2020年2月14日以降への延期を余儀なくされています。元々は春節の大型連休に合わせて停止し、2020年2月3日に再開する予定でしたが、感染拡大や各自動車メーカーの稼働延期を受けて慎重に見極めていました。部分的な再開とはいえ、この危機の中で一歩を踏み出す企業の姿勢には頭が下がります。
実は、中国で作られたエアバッグの布製品が日本に送られ、国内で最終組み立てを行うルートもあるため、今回の再開は日本の製造ラインを維持するためにも極めて重要な意味を持ちます。一方で、愛知製鋼が展開する上海市の拠点では、移動制限により従業員が揃わず、当初は通常の2割から3割程度の規模で生産を絞る方針とのことです。安全確保と経済活動の両立という、非常に難しい舵取りが求められる局面でしょう。感染対策を徹底しつつ、日本のモノづくりの基盤が無事に守られることを切に願うばかりです。
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