地方銀行を取り巻く経営環境が厳しさを増す中、山口フィナンシャルグループ(FG)の最新の業績に大きな注目が集まっています。同グループが2020年2月7日に発表した2019年4月から2019年12月期までの連結決算は、最終的な儲けを示す純利益が前年の同じ時期と比べて14.6%増の200億円に達しました。マイナス金利政策などの影響で苦戦が予想される中、この力強い増益のニュースは市場を驚かせています。
SNS上でもこの決算発表は大きな話題を呼んでおり、「この逆風の中で2桁増益を確保するのは素直に凄い」「地銀の底力を見た」といったポジティブな反響が相次いでいました。その一方で、「本業以外の利益が支えているのでは」という、今後の持続性を冷静に分析する鋭い声も上がっています。ネット上でこれほど多様な議論が巻き起こる背景には、地域の経済を支えるメガ地銀ならではの注目度の高さがあるのでしょう。
今回の決算において、銀行の本来の稼ぐ力を示す「コア業務純益」は前年同期比4.6%減の210億円という結果になりました。コア業務純益とは、貸出金の利息や手数料などから得られる、いわば本業による基礎的な利益のことです。この数字が落ち込んだ主な要因として、企業の資金需要が低迷したことによる資金利益の減少が挙げられます。やはり本業の分野では、現在の厳しい金融環境の波をそのまま受けている印象が否めません。
さらに、傘下のもみじ銀行を中心に、融資先の倒産や業績悪化に備えてあらかじめ積み立てる「与信関係費用」が大幅に増加しました。この費用が前年同期比で68.7%増の71億円にまで膨らんだことは、経営にとって大きな重荷となったはずです。しかし、これだけの大きなマイナス要因を抱えながらも、最終的に増益へ着地させた点に山口FGの卓越したポートフォリオ戦略と、巧みな資産運用の技術が垣間見えます。
ピンチを救ったのは、保有していた国債などの債券売却益や、株式の売却益が大きく増加したことです。相場の動きを的確に捉えた資産の組み替えによって本業の損失をカバーし、見事に全体でのプラスを確保しました。状況に応じた柔軟な資金運用で利益を補填する柔軟なリスク管理能力は、見事というほかありません。激動の時代を生き抜くための、地銀の新しい防衛策を示した決算内容だったと言えるでしょう。
今回の決算を分析すると、山口FGの臨機応変な運用の巧みさが光る一方で、本業の収益力回復という本質的な課題も浮き彫りになりました。有価証券の売却益による利益の押し上げは、あくまで一時的な特効薬にすぎません。厳しい状況が続くからこそ、今後は地域社会に寄り添った新しいビジネスモデルの構築が求められます。山口FGがこの増益を追い風に、どのような次の一手を打つのか期待を持って見守りたいところです。
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