手軽に髪を整えられることでお馴染みのヘアカット専門店「QBハウス」を運営するキュービーネットホールディングスが、壮大な成長戦略を発表しました。2020年から2024年までの5年間で、国内外の店舗数を現在より約3割も多い900店舗へと拡大する計画を掲げています。SNS上では「短時間で済むから本当に助かる」「店舗が増えるのは嬉しい」といった、利便性の向上を歓迎する声が数多く上がっており、期待の高さがうかがえます。
この拡大戦略の目玉として、2020年春には東京の丸の内に新型店舗「QBプレミアム」がオープンする予定です。これは、無駄なサービスを極限まで省くことにこだわりつつ、既存店よりもやや高めの価格帯に設定された新業態となります。すでにシンガポールや香港で成功を収めており、日本へと逆輸入される形です。これによって国内の既存店舗で課題となっていた、混雑時の待ち時間が大幅に改善されることが期待されています。
徹底した効率化の歴史と激化するカット専門店市場
同社は1995年の創業以来、「10分1000円」という革新的なビジネスモデルで理美容業界に旋風を巻き起こしました。シャンプー台を一切設置せず、カット席だけを配置したコンパクトな店舗デザインが特徴です。その後、女性向けなどへ客層を広げ、2019年には国内外の総店舗数が700店舗を突破するまでに成長しました。現在のタイムパフォーマンスや節約を重視する消費者のニーズに見事に合致していると言えるでしょう。
しかし、国内市場ではカットやカラーの専門店が次々と台頭し、競争が非常に激しくなっています。そこで同社が活路を見出しているのが、成長の余地が非常に大きい海外市場です。すでに2005年から香港やシンガポールへ進出し、約130店舗を展開しています。特に香港では61店舗を構え、現地最大手のカット専門店としての地位を確立しました。2017年にはアメリカのマンハッタンにも進出し、ビジネスパーソンから絶大な支持を得ています。
今後はロンドンやパリでの市場調査も進め、5年後までに海外店舗を200店舗へ増やす計画です。これにより、現在は15パーセント台である海外売上高比率を18パーセントにまで引き上げることを目指しています。世界的な節約志向や時短ニーズを背景にした、この積極的な海外展開は、日本のサービス業がグローバルに羽ばたく素晴らしい成功事例になるのではないでしょうか。
深刻な人手不足を解消する「休眠理美容師」という救世主
一方で、国内での店舗拡大において最大の壁となっているのが深刻な人手不足です。厚生労働省の2018年度末のデータによると、理美容師免許の登録者が約193万人いるのに対し、実際に働いているのは約75万人にすぎません。つまり、資格を持ちながら現場を離れている「休眠理美容師」が数多く存在しているのです。これは労働集約型、すなわち人の手による業務への依存度が高い理美容業界において、慢性的な課題となっています。
生活衛生サービスの有効求人倍率は約4倍と高水準であり、全職種の平均を大きく上回る深刻さです。有効求人倍率とは、求職者1人に対して何件の求人があるかを示す指標で、数字が高いほど企業側は人を採用しにくい状況を意味します。同社はこの状況を打破するため、出産や育児でブランクがある人や、下積みだけでカットの経験がない有資格者を積極的に採用し、教育する仕組みを整えました。
東京や大阪などの主要5都市にある有給の研修施設を、今後は札幌や広島にも新設する予定です。これによって今後5年間で650人の理美容師を育成し、各店舗へ配属する計画を進めています。眠っている国家資格の保有者を企業の力で再生させるこの取り組みは、業界全体の働き方改革や雇用創出にも大きく貢献する画期的な挑戦です。人材の多様性を活かした同社の今後の躍進から、目が離せません。
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