世界中で猛威を振るい始めている新型コロナウイルスによる肺炎の拡大が、ついに東北の観光地にも深刻な影を落としています。宮城県の村井嘉浩知事は2020年2月10日の定例記者会見において、2020年2月から2020年3月にかけて県内を訪れる予定だった中国人団体客のうち、実に370人分の予約がキャンセルされたと明かしました。冬の書き入れ時を迎えている地元の観光業界にとっては、あまりにも大きな打撃と言わざるを得ません。
今回のキャンセルが発生したのは、中国の上海市や蘇州市から訪れる予定だった方々です。その内訳を見てみると、スキー目的のツアー客が300人、さらに教育旅行の団体が40人などとなっています。教育旅行とは、学校の研修や文化交流を目的に海外を巡る旅のことで、将来的なリピーター獲得にもつながる重要な機会でした。これらがすべて見送りとなり、宿泊を予定していた県内のホテルや旅館からは悲鳴が上がっています。
さらに追い打ちをかけるように、宮城県が起死回生の一手として計画していた魅力発信プロジェクトも中止へと追い込まれました。それは、情報発信力や社会的な影響力の高い「中国のインフルエンサー」を招待し、現地のリアルな観光情報をSNSなどでPRしてもらう企画です。この状況ではプロモーションどころではなく、ネット上では「楽しみにしていた企画なのに残念」「地元の温泉街やスキー場が心配すぎる」といった悲痛な声が相次いでいます。
村井知事は会見の中で、「この影響が一体どこまで広がっていくのか、非常に大きな不安を感じている」と苦しい胸の内を吐露しました。現時点で判明しているのは中国からの観光客のみですが、今後は他の国々からの渡航者にも同様の動きが広がる可能性は否定できません。インバウンド、つまり訪日外国人旅行客の誘致に力を注いできた自治体にとって、まさに未知の試練が訪れていると言えるでしょう。
ここで私自身の意見を述べさせていただきます。今回の中止劇は極めて遺憾ですが、人命と安全を最優先に考えれば、宮城県の迅速な情報公開と判断は賢明だったと感じます。ピンチの裏には必ずチャンスが眠っているものです。今は感染拡大の防止に全力を尽くしつつ、終息後の「V字回復」を見据えて国内旅行の需要を掘り起こすなど、観光のあり方を多角化していく知恵が私たちに求められているのではないでしょうか。
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