オリガミ身売りが鳴らすVCへの警鐘!スマホ決済の草分け敗退から学ぶ、これからのスタートアップ投資戦略とは?

国内のベンチャーキャピタル(VC)によるスタートアップ投資が、大きな転換期を迎えています。これまで過熱を続けていた新興企業への出資ですが、スマートフォン決済の先駆者である「Origami(オリガミ)」がメルカリに買収されたことで、市場には緊張感が漂い始めました。ネット上でも「一つの時代が終わった」「資本力勝負の厳しさを知った」と、大きな反響を呼んでいます。これからは事業モデルや収益性を厳格に見極める必要があり、投資家たちの知恵比べが本格化するでしょう。

オリガミは2016年にサービスを開始し、数々の有力VCやクレディセゾンなどから資金を調達しました。しかし、同年に楽天が参入し、2018年には巨額の還元キャンペーンを引っ提げて「PayPay(ペイペイ)」が登場します。これにより業界全体の過激な顧客獲得競争が勃発しました。潤沢な資本を持つ大手の攻勢に対し、オリガミは次第に苦境へ追い込まれます。結果として自社単独での生き残りを断念し、メルカリの傘下へ入る決断を余儀なくされたのです。

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世界的なバブル失速と国内スタートアップの現在地

日本の新興企業投資は、2018年のメルカリ上場を契機に黄金期を迎えていました。ですが、2019年には洗濯物自動折り畳み機を開発していたセブン・ドリーマーズ・ラボラトリーズが破綻するなど、暗雲が立ち込め始めています。世界に目を向けても、企業価値が10億ドルを超える未上場の新興企業である「ユニコーン」のバブルが失速中です。米シェアオフィス大手ウィーカンパニーの経営難などを背景に、投資マネーの縮小が始まっています。

今回のオリガミの身売り劇は、投資家に2つの教訓を与えました。1つ目は、大企業の意思決定と行動が予想以上に素早いという点です。既存事業の成長が頭打ちになる中、大企業は自ら投資枠を設けて貪欲に新規事業を探しています。例えば料理動画分野では、2018年にKDDIがエブリーと資本提携し、ヤフーがデリーを子会社化しました。流行の兆しが見えた市場へ、大手が資本力をもってみるみるうちに参入してくるのが今の実態です。

2つ目の教訓は、個人向け(BtoC)ビジネスの難しさです。スマートフォンは手軽にサービスを提供できる最高の基盤ですが、裏を返せば、消費者がよりお得な他社サービスへ一瞬で乗り換えてしまうリスクを孕んでいます。これまでは、赤字であっても売上高が伸びていれば成長性があると評価される傾向にありました。しかし今後は、過度な広告費に頼る手法は通用せず、サービス自体の実力や「利益重視」の姿勢が厳しく問われるはずです。

問われるベンチャーキャピタルの真価と新たな支援体制

今回の事態を受け、私はVCが単なる「お金の出し手」から「並走するパートナー」へ完全に脱皮すべきだと考えます。資金力だけで勝負が決まる市場を避け、技術や独自の強みを持つ企業を見極める審美眼が不可欠です。実際に、リアルテックファンドのように弁護士事務所と組んで特許取得などの知的財産戦略を多面的に支える動きも出てきています。出資者が起業家をどう育て、共に果実を得るかという、新たなバランスへの挑戦が始まっています。

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