国内の医療従事者として初めて医師の新型コロナウイルス感染が確認された和歌山県において、2020年02月14日、新たに県内在住の70代男性がウイルスに感染していることが判明いたしました。この男性は、先に感染が報告された医師が在籍する済生会有田病院(和歌山県湯浅町)に足を運んでいたことが分かっています。一見すると病院内での二次感染を疑わせる状況ですが、詳しく紐解くと異なる背景が見えてくるのです。
和歌山県の発表によりますと、この70代の男性患者は当該の病院を受診するよりも前の段階で、すでに発熱などの体調不良を訴えていたとされています。医療機関に赴く前に発症しているという時間的な前後の関係から、医療従事者から患者へウイルスが移った「院内感染(病院の建物内部で病原体に感染すること)」が起きた確率は極めて低いと判断されました。SNS上でも「病院に行くのが怖くなる」といった不安の声が広がる中、冷静な事実確認が求められています。
2020年02月14日の午前中に緊急で記者会見を執り行った仁坂吉伸知事は、「院内感染があったという認識は持っていない」ときっぱりと表現しました。さらに知事は、男性が陽性判定を受けた医師と緊密に接した履歴、いわゆる「濃厚接触(感染者と距離が近い場所で長時間過ごし、感染リスクが高まること)」が認められない旨を説明しています。このため、男性がどこからウイルスをもらってしまったのか、ルートを突き止める作業は難航を極める見通しです。
県側の担当者が「すでに特定のコミュニティや地域社会の内部で感染が拡大している恐れがある」と見解を述べている点は、今後の展開を予測する上で非常に重い意味を持っています。誰から移ったのか分からない「市中感染」の兆候とも言えるこの事態に対して、私たちは日頃の手洗いやマスク着用といった防衛策を徹底するしかありません。行政には、パニックを防ぐための迅速かつ透明性の高い情報開示を、何よりも強く望みたいところです。
済生會有田病院の緊急対応と相談窓口の設置について
事態を重く見た済生會有田病院は、当面の間、新しい患者の受け入れ業務を全面的にストップする措置を講じました。現在はすでにベッドに入っている入院患者の健康状態を注意深く見守る「経過観察」に注力している状況です。また、ネット上では周辺住民から医療崩壊を懸念する書き込みが相次いでおり、地域医療の要である同病院の機能維持に向けて、社会全体でサポートしていく視点も欠かせないのではないでしょうか。
同病院は地域住民の不安を解消すべく、臨時の「接触者外来」を急遽立ち上げました。具体的には2020年01月18日から2020年02月13日までの期間に同院を訪れ、せきや高熱といった呼吸器系の異変を感じている方々からの相談を受け付けています。今後は必要に応じて専門的な診察やウイルスの有無を調べる検査を実施していく方針であり、地域一体となったスピーディーな封じ込め作戦が期待されます。
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