中国の武漢市を起点に猛威を振るう新型コロナウイルスですが、2020年1月28日、政府は感染症法に基づく「指定感染症」への閣議決定を行いました。この決定により、医療機関には患者の強制入院や就業制限といった法的強制力を持った強い措置が可能になります。SNS上では「ついに指定されたか」「これで水際対策が強化される」といった安堵の声がある一方、「病院は本当にパンクしないのか」というリアルな不安の声も次々と渦巻いています。
今回の指定により、最前線の医療現場では受け入れ態勢の構築に向けて一気に緊張感が高まりました。神奈川県鎌倉市にある湘南鎌倉総合病院では、これまで疑いのある患者を院内の特殊な個室で管理する方針でしたが、今後は指定の医療機関へ搬送する手順へと急遽切り替えています。毎日2000人もの外来患者が訪れる大規模病院だからこそ、一般の患者と感染の疑いがある人を絶対に接触させないための「動線(人の移動する経路)」の確保に、スタッフ一同は並々ならぬ警戒感を強めている状況です。
院内感染の徹底防止へ!専用病棟の確保に動く都立駒込病院の決意
羽田空港に近い東京都立駒込病院は、すでに多くの患者を受け入れる想定で動いています。医療従事者を媒介とした「院内感染(病院の建物内で患者やスタッフに病気が広まること)」を防ぐため、医師や看護師はマスクや手袋、顔を守るフェイスシールドを徹底して着用する方針です。同院の感染症科では、特殊な隔離病床には限りがあるため、もし今後患者が急増した場合には、ひとつの病棟丸ごとを新型コロナウイルス専用の施設へと切り替える大胆な計画も視野に含めて、冷静な準備を進めています。
また、関西国際空港の対岸に位置する大阪府のりんくう総合医療センターでも、2020年1月27日に医師らによる緊急会議が招集されました。同センターでは10床の感染症専用ベッドを有しており、疑い患者の移動ルートを完全隔離する防衛策を改めて徹底させています。指定感染症になったことで法的なアプローチが可能になり、結果として患者の早期発見や治療に結びつくと有識者も期待を寄せており、水際対策の要として周囲の医療機関との強固な連携が期待されています。
編集部EYE:医療従事者への感謝とともに、私たちは「正しく恐れる」フェーズへ
私たちは、未知のウイルスに対してどうしても過剰な恐怖を抱きがちです。しかし、今回の指定感染症への格上げは、国と医療機関がワンチームとなってこの国難に立ち向かうための極めて前向きな一歩であると私は確信しています。SNSではパニックに近い書き込みも見られますが、現場の医師たちが「日頃の訓練の成果を出すだけ」と冷静に語る姿には、プロフェッショナルとしての強い覚悟と頼もしさを感じずにはいられません。
中国の春節(旧正月)による大型連休とも重なり、空港での検疫強化や患者の増加は避けて通れない現実となるでしょう。だからこそ、私たち一般市民に求められるのは買い占めなどの混乱ではなく、手洗いやうがいの徹底といった一人ひとりの冷静な自己防衛です。命がけで防波堤となってくれている医療従事者の皆様の負担を減らすためにも、確かな情報を見極め、社会全体で支え合う連帯感を持ってこの事態を乗り越えていきましょう。
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