カジノを含む統合型リゾートであるIRの誘致をめぐり、全国の先頭を走ってきた大阪府と大阪市に激震が走っています。事業者公募の参加登録が2020年02月14日に締め切られましたが、なんと手を挙げたのはたったの1組だけでした。「誘致レースのトップランナー」を自負していただけに、この結果は関係者に大きな衝撃を与えています。SNS上でも「大阪ならもっと集まると思ったのにショック」「実質1択なら競争原理が働かないのでは」といった不安や疑問の声が数多く噴出している状況です。
そもそもIRとは、カジノのほかにホテルや国際会議場、ショッピングモールなどが一体となった複合施設を指します。大阪府の吉村洋文知事は2020年02月14日の夕方に記者団の取材に応じ、経済規模で勝る首都圏へ有力な事業者が流れてしまったことへの悔しさを滲ませました。2019年06月に開催されたG20大阪サミットや、大注目の2025年日本国際博覧会(大阪・関西万博)の誘致成功で勢いに乗る大阪ですが、市場の厳しさに直面しているようです。
実は、海外の事業者たちの間では「東京や横浜といった首都圏の市場規模には及ばない」という冷ややかな見方が以前からありました。さらに、建設予定地である人工島の夢洲(ゆめしま)へのアクセスが現状では不便であることもネックとなっています。これに加えて、隣接地で行われる万博のインフラ整備などと工期が重なってしまうため、建設コストの高騰や人手不足を懸念する声が多かったことも、今回の1組のみという寂しい結果に繋がったと考えられます。
不透明感が増す審査の公正性と今後の課題
応募が1組だけでも今後の審査手続き自体は変わらず、有識者らによる選定委員会が財務力などを厳格に採点する方針です。しかし、比較対象がいない中での審査に対して、業界内からは「点数をつける意味があるのか」という冷ややかな指摘も上がっています。さらに、昨今のIRをめぐる贈収賄事件の影響で世間の視線は極めて厳しくなっているため、府と市がどのようにプロセスの透明性や公正性を証明していくかが、今後の最大の焦点となるでしょう。
編集部の視点として、今回の事態は非常に危機的であると考えます。競争相手がいない状態での誘致は、事業者に有利な条件を飲まざるを得ないリスクを孕んでいるからです。利便性の向上や万博との連動性など、大阪ならではの強みをもう一度明確に打ち出し、市民が納得できるクリーンな開発を進めることが強く求められます。このままでは大阪の成長戦略そのものが揺らぎかねず、今後の動向から一瞬たりとも目が離せません。
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