認知症を患うご家族を支える日々のなかで、徘徊による突然の行方不明への不安や、誰にも相談できない孤独感に頭を悩ませている方は少なくありません。常に緊張感を強いられる周囲の負担は計り知れないものです。
しかし現在、そのような負担を大きく軽減してくれる画期的なサービスが次々と誕生しています。最新のIT技術を駆使した捜索システムや、身近な大手カフェチェーンと自治体がタッグを組んだ最先端の取り組みが、今まさに注目を集めているのです。
ネット上でも「こうした仕組みがあれば安心して外出させてあげられる」「孤立しがちな介護の救世主になってほしい」など、これからの普及に期待を寄せる声が数多く上がっています。
スマホとステッカーで命を守る!地域で見守る「互助」の新しい仕組み
社団法人セーフティネットリンケージが開発した「みまもりあいプロジェクト」は、日本人が本来持っている助け合いの精神を形にした素晴らしいシステムです。これは患者の持ち物に専用のステッカーを貼り、無料の専用アプリを通じて地域全体で捜索を行う仕組みとなっています。
もしもの際は、ご家族がアプリからSOSを発信することで、半径20キロメートル以内にいる協力者のスマートフォンへ一斉に情報が通知されます。発見者がステッカーのIDを専用ダイヤルに入力するだけで、個人情報を明かさずに家族と連絡が取れる点が非常に画期的です。
24時間365日いつでも稼働しているこのシステムは、すでに福岡市や千葉県柏市など24の自治体が導入を決定しました。東京都八王子市ではアプリのダウンロード数が9000件を超え、2018年度には多くの発見成果を上げており、地域の強い味方となっています。
さらに地図や旅行書でおなじみの昭文社も、QRコードを活用した見守りシール「おかえりQR」を2019年7月より展開しています。郵便局やネット通販で手軽に購入でき、スマートフォンのカメラで読み取るだけで家族に位置情報が届くため、利便性の高さが魅力です。
スタバでほっと一息、孤独を解消する「認知症カフェ」の心理的効果
一方で、精神的な孤立を防ぐ取り組みも活発化しています。東京都町田市では、認知症に優しい街づくりを目指し、スターバックスコーヒージャパンと2019年に連携協定を締結しました。なんと市内のスタバ全9店舗で、定期的に「認知症カフェ」を開催しているのです。
認知症カフェとは、専門家への相談や当事者同士の交流ができる集いの場を指します。敷居が高く感じられがちな相談窓口ですが、お馴染みのおしゃれで落ち着いたカフェ空間にすることで、足を運ぶ心理的なハードルを劇的に下げることに成功しました。
最初はご家族だけで相談に訪れ、2回目からはご本人と一緒に笑顔で参加されるケースも増えているそうです。同じ悩みを共有し、おいしいコーヒーを飲みながら語り合える時間は、張り詰めた介護生活において何よりの心のオアシスになるのではないでしょうか。
2025年には高齢者の5人に1人に!早期発見のために家族ができること
国内のデータによると、認知症の患者数は2025年に730万人へ達するとみられ、高齢者の5人に1人が直面する未来がすぐそこに迫っています。警察庁の発表でも、認知症に関わる行方不明者届は増加の一途をたどり、2018年には1万6927件にものぼりました。
病気の進行を緩やかにするためには初期段階での発見が不可欠ですが、実は医師の診察時に本人が無意識に取り繕ってしまい、診断が遅れるケースが多発しています。だからこそ、一番近くにいる身内の「気づき」が極めて重要な鍵を握るのです。
同じ会話を何度も繰り返したり、食事をしたこと自体を忘れてしまったり、これまでは綺麗好きだった方が急に部屋を散らかし始めたりした場合は注意が必要です。受診の際は必ず家族が同行し、普段の細かな変化を丁寧に医師に伝えることが早期治療への第一歩となります。
介護を家庭内だけで抱え込む時代は終わりました。こうしたITツールや温かいコミュニティを積極的に頼り、社会全体で支え合っていく視点を持つことが、大切な家族の笑顔を守るために最も必要なことだと私は強く確信しています。
コメント