🔥【2019年株主総会】「物言う株主」と日本企業の新たな関係!オリンパス・東芝の事例から見る経営変革とガバナンス強化の最前線

2019年6月を迎える今、日本企業の経営は大きな転換期を迎えていると言えるでしょう。特に注目を集めているのが、かつては敵対的に見られがちだった「物言う株主」、すなわちアクティビストとの関係性の変化です。企業とアクティビストが、収益の改善やコーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化を目指し、歩み寄る新しい潮流が生まれてきています。その最前線として、今回はオリンパスと東芝の事例を見ていきましょう。

世界シェア約7割を誇る内科用内視鏡が成長の限界に直面していたオリンパスは、経営の打開策を模索していました。2016年に策定した中期経営戦略では、2021年3月期に連結売上高1兆円という野心的な目標を掲げましたが、欧米企業との激しい競争によって売上高は横ばいで推移し、目標達成時期を延期せざるを得ない状況に陥っていました。当時の社長であった笹宏行氏(63歳)に、竹内康雄社長(62歳)が「彼らは社内からは出てこない意見を言ってくれる。あいつらの力を借りよう」と働きかけたことが、変革のきっかけとなります。その「彼ら」とは、オリンパスの株式の5パーセントを保有する米国の有力アクティビスト・ファンド、バリューアクト・キャピタルです。

オリンパスは、2019年1月に、バリューアクト・キャピタルからの役員受け入れを正式に表明しました。6月25日の株主総会での承認に先立ち、同社のロバート・ヘイル氏(34歳)はオブザーバーとしてすでに経営に参加しています。竹内社長は、4月26日の取締役会後、西新宿にある本社役員会議室でヘイル氏と対話する中で、自前の研究開発に偏重する姿勢を指摘され、「100年の歴史を持つ会社の変革は難しい。ぜひ力を貸してくれ」と応じました。当初は警戒感も抱いたそうですが、バリューアクトの投資先の約4分の1が医療関連であり、ヘイル氏自身もカナダの製薬大手ボシュ・ヘルスで役員を務めた経験など、医療分野への深い知見と実績があることが分かり、協調路線へと舵を切ったのです。これは、企業が海外投資家の信頼を得るためには、経営陣だけで固まるのではなく、外部との対話を優先する必要性を痛感し始めたことの証左と言えるでしょう。

一方、東芝でも、アクティビストとの攻防と協調のドラマが繰り広げられました。2017年に実施した巨額増資を引き受けた投資家の一社であり、5パーセント強の株式を保有するキング・ストリート・キャピタル・マネジメントが、2019年3月に自社役員の派遣などを柱とする株主提案を行いました。東芝の株主の約7割が海外投資家である現状では、提案をそのまま受け入れなくても、グローバルな人材を登用しなければ、総会で会社側の人事案に思わぬ反対票が投じられる危険性があります。そのため、東芝は5月上旬のゴールデンウィーク期間中も、依頼したゴールドマン・サックス証券とともにファンド側と粘り強く交渉を続けました。一席でも多く取締役の座を譲るか否かという、文字通りギリギリの交渉が続きましたが、最終的に、東芝が新しい役員体制を発表した5月13日の朝に合意が成立したのです。

この結果、東芝は取締役12名のうち、社外取締役を10名に増やし、そのうち4名を外国人としました。これは、株主総会前の対話を通じて、ファンド側と歩み寄り、協調の道を選んだ好例と見ることが可能です。SNS上でも、こうした大企業がアクティビストを受け入れる姿勢に対して、「閉鎖的と言われた日本企業が変わろうとしている」「経営の透明性が高まりそうだ」といったポジティブな反響が寄せられています。特に、海外投資家が多数を占める東芝のような企業にとって、長期的な視点で割安な企業に投資するキング・ストリート・キャピタルのようなファンドとの関係構築は、グローバルな信頼獲得に不可欠なステップだと言えるでしょう。

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歴史を塗り替える「物言う株主」との新時代

株主総会の歴史は、これまで幾度となく転換点を迎えてきました。1990年代後半の総会屋への利益供与事件、そして「日本を教育したい」と発言したトップが有名な米スティール・パートナーズなどの「元祖・物言う株主」の台頭です。特に2008年のアデランスホールディングスの総会では、スティールなどの反対によって社長選任案が否決されるなど、これらの出来事は、企業統治や株主との対話がいかに重要であるかを浮き彫りにしました。そして今、企業と物言う株主が距離を縮め合う新たな動きは、それに続く大きな転換点となる可能性を秘めています。

こうした変化の背景には、アクティビスト側が、企業側の意向も考慮に入れた方が投資実績につながりやすいという教訓を得たことがあります。また、企業側も、身内だけの経営には限界があることを認識し、海外投資家の信頼を得るために積極的に対話へ乗り出すようになりました。この流れは、すでに米国がたどってきた道と言えるでしょう。調査会社のアクティビストインサイトによれば、物言う株主が米企業の取締役に就任した事例のうち、株主総会で賛否を争うことになったのは全体のわずか1割にとどまり、大半が対話を通じて総会前に合意に至っています。例えば、米セキュリティー大手のシマンテックでは、会計問題発覚直後の2018年夏に株式の6パーセントを保有する米ファンド、スターボード・バリューから取締役5人の受け入れを要求されましたが、交渉の末、同年9月に3人の受け入れを決定しました。そして、その翌年の2019年5月には、トップのグレッグ・クラーク氏(54歳)が突然辞任するなど、ファンドの関与によって経営陣の入れ替えが進んだ事例も出てきています。

2019年は、株主提案を受けた日本企業がJR九州など過去最多の58社に達しており、アクティビストとの攻防は続いています。しかし、総会前に互いに折り合いをつけ、協調する事例はまだ少数にとどまっているのが現状です。物言う株主からの提言は、時として耳の痛い意見や、短期的には負担となる要求を含む場合もあるでしょう。しかし、健全な緊張関係の中で本音の議論を重ねることは、企業価値の向上と、ひいては日本経済の成長に不可欠だと私は考えます。6月25日と27日にピークを迎える注目企業の株主総会は、真剣勝負を通じて企業が「最適解」を求めていく、その内幕を映し出すことになるでしょう。今後のさらなる対話と変革の土壌作りが進むことに、大きな期待を寄せています。

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