2019年10月01日に実施された5年ぶりの消費増税は、私たちの家計に小さくない影響を与えました。しかし、そんな逆風が吹く2019年の市場で人々の心を動かしたのは、単なる安売りではない「お値段以上の価値」を提供するサービスです。編集部が注目するのは、消費者の賢い選択がトレンドを形作っている現状でしょう。
日本酒好きの間で、いま熱烈な支持を集めているのが「日本酒原価酒蔵」です。通常、飲食店ではお酒の利益率を高く設定するのが常識ですが、ここでは入館料を支払うことで、名だたる銘酒を仕入れ原価で楽しめます。高級な日本酒が従来の半額から3分の1という驚きの価格で味わえるとあって、SNSでも「コスパが神がかっている」と大きな話題になりました。
この「利益をお酒から取らない」という逆転の発想は、これまで日本酒に馴染みのなかった若年層を惹きつけるきっかけとなっています。首都圏を中心に20店舗を展開し、既存店の売上高が前年比で20%以上も伸びている現状を見れば、このスタイルが今後の居酒屋業界における新たなスタンダードになる可能性は極めて高いといえます。
100均コスメの革命とセルフ美容の台頭
美容の世界でも、低価格ながら高品質な商品が爆発的なヒットを記録しています。大創産業が展開する「UR GLAM(ユーアーグラム)」は、2019年04月の発売からわずか半年で、販売数量1,000万個を突破する快挙を成し遂げました。スタイリッシュなデザインと180種類にも及ぶ豊富なラインナップは、まさに驚異的としか言いようがありません。
特に、普段は選ばないような冒険心あふれる色使いにも、100円なら気軽に取り組める点が現代の消費心理に合致したのでしょう。また、サービス面では「セルフ」というキーワードが急浮上しています。プロにすべて委ねるのではなく、自分で行うことで「お得感」を得るという、新しい美容のスタイルが確立されつつあるのです。
高級エステ機器を自分で操作する「じぶんdeエステ」は、ここ1年で商業施設を中心に10店舗以上も拡大しました。また、アルテサロンホールディングスの「チョキペタ」に代表されるヘアカラー専門店も急増しており、主要チェーンの店舗数は4年前の約4倍となる400店を超えています。賢く、美しくありたいと願う女性たちの強い味方です。
このように2019年のヒット商品は、消費増税という壁を「賢い選択」という楽しみへと変えてくれました。私たちは今、単に安いものを求めるのではなく、自分のこだわりとコストのバランスをシビアに見極める時代に生きています。今後も、こうした既存の常識を打ち破る「付加価値」の提供が、ビジネスの成否を分ける鍵となるはずです。
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