私たちの生活を劇的に変える可能性を秘めたイベントが、2020年1月24日に東京都港区で開催されました。半導体業界を牽引するキオクシア(旧東芝メモリ)が主催した、最先端の記憶装置であるSSD(ソリッド・ステート・ドライブ)の紹介イベントです。ネット上では「東芝から社名が変わってからの本格的な攻勢が楽しみ」「新しいブランドのロゴが格好いい」といった好意的な声が数多く寄せられており、大きな注目を集めています。
SSDとは、従来のハードディスク(HDD)のように磁気ディスクを回転させるのではなく、電子的にデータを記録する極めて高速な記憶装置のことです。イベントに登壇した横塚賢志SSD事業部長は、この技術がデータによって社会や人々の暮らしをより良いものへと変革する「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に大きく貢献していると熱弁を振るいました。もはやただの部品ではなく、未来を創る基盤と言えるでしょう。
これまでデータの保存といえば、過去の活動を振り返るための「記録」という意味合いが強いものでした。しかし横塚氏は、これからは人工知能(AI)などと組み合わせることで、蓄積した膨大なデータから「未来の予測」を行うためにSSDが活用されると指摘しています。情報の読み書きが圧倒的に速いSSDだからこそ、リアルタイムで高度な計算を行うAIの相棒として、必要不可欠な存在になっていくのは確実だと確信させられます。
世界シェア首位の背中を追うキオクシアの次なる戦略
現在、キオクシアは世界市場でのさらなる飛躍を目指して牙を研いでいます。2018年のデータによると、同社はデータ保存の要となる「NAND型フラッシュメモリー」で世界シェア17.6%を誇るものの、SSD製品としては10%未満にとどまっていました。ライバルである韓国のサムスン電子が30%台後半でトップを走る中、キオクシアは台湾メーカーのSSD事業を約170億円で買収することを発表し、猛追への足がかりを固めています。
2018年6月に東芝の傘下から離れ、日米韓の連合体制へと移行した同社は、2019年10月に「キオクシア」へと社名を一新しました。会場には新しいブランドを冠したSSDが所狭しと並べられ、新生キオクシアの強い覚悟が伝わってきました。知名度の浸透には少し時間がかかるかもしれませんが、技術力に裏打ちされた製品群を見れば、世界シェアの構図を塗り替える日もそう遠くはないのではないかと期待が膨らみます。
技術的な進化も見逃せません。大島成夫SSD応用技術技師長は、データをさらに高速でやり取りするための接続規格「PCIe4.0」が今後数年で普及するという見通しを示しました。さらに、1つの記録素子に5ビットものデータを詰め込む「PLC(ペンタ・レベル・セル)」という驚異の大容量化技術も開発中とのことです。こうした飽くなき技術革新こそが、日本の半導体復権への鍵を握っていると言っても過言ではありません。
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