消費税増税でも財政悪化!?内閣府の最新試算から見える日本の未来と私たちが今考えるべきこと

2020年01月17日に開催された経済財政諮問会議にて、内閣府が衝撃的なデータを発表しました。国と地方の基礎的財政収支、いわゆる「プライマリーバランス(PB)」が、2025年度には約3兆6000億円もの赤字に陥るという見通しが明らかになったのです。2019年10月01日に実施された消費税率の引き上げを経てもなお、国の台所事情が改善しないという現実に、驚きを隠せない方も多いのではないでしょうか。

プライマリーバランスとは、社会保障や公共事業といった日々の行政サービスにかかる費用を、借金に頼らずにその年の税収などで賄えているかを示す重要な指標のことです。政府は2025年度までにこの収支を黒字に反転させるという目標を掲げていましたが、今回の発表によってその達成は一段と困難な情勢になりました。SNS上でも「増税は何のためだったのか」といった、悲痛な声や疑問が数多く噴出しています。

今回の試算では、最も楽観的な経済成長を見込んだ「成長実現」というシナリオを採用しています。これは2020年代の前半に、物価の変動を反映した名目成長率で3%以上、反映しない実質成長率で2%という高い水準を前提としたものです。現在の日本経済の実態から見れば、かなり強気な予測であると言えるでしょう。それでも黒字化が達成できるのは2027年度にまでずれ込む見通しとなっています。

この厳しい状況に対し、西村康稔経済財政・再生相は2020年01月17日の記者会見において、今後の歳出改革を進めることで目標達成の視野は保たれると強調しました。しかしながら、その鍵を握る医療や年金といった社会保障制度の抜本的な見直しは、遅々として進んでいません。財政の健全化に向けた議論そのものが、どこか空虚で形骸化しているような印象を拭い去ることは難しいのが現状です。

民間シンクタンクである大和総研の神田慶司氏は、単なる支出のカットや増税に頼るだけでなく、日本が本来持つ「稼ぐ力」を底上げする改革が不可欠であると指摘しています。政府は2019年12月に、東京オリンピック開催後の景気冷え込みを防ぐため、13兆2000億円規模の大型経済対策を決定しました。今こそ、この予算を教育や研究開発といった未来の成長分野へ集中投資するべきです。

私は、ただ財政赤字の数字に怯えて緊縮財政に走ることは、むしろ景気を冷え込ませて逆効果になると考えています。大切なのは、次世代のためになる賢いお金の使い方(スマート・スペンディング)を徹底することではないでしょうか。目先のバラマキではなく、日本の潜在的な成長力を高める政策へと大胆に舵を切る。それこそが、結果として財政を健全化させる唯一の現実的な王道だと確信しています。

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