新型コロナウイルスで観光大打撃!中部と北海道で1000億円超の中国インバウンド消費が消失か

世界中で猛威を振るう新型コロナウイルスによる肺炎は、日本の観光業にも暗い影を落としています。特にこれまで日本のインバウンド市場を牽引してきた中国人旅行客の激減は、地域経済に深刻なダメージを与え始めています。ネット上でも「なじみの観光地がガラガラでショック」「地元のホテルやお店の経営が心配」といった、今後の経済への影響を不安視する声が次々と上がっており、事態の深刻さがうかがえるでしょう。

そんな中、中部圏社会経済研究所(名古屋市)は愛知県、岐阜県、三重県の中部3県における影響の試算を公表しました。2003年に流行した重症急性呼吸器症候群、通称「SARS(サーズ)」のデータを基にはじき出された予測によると、2020年の中国人客による消費額はなんと766億円も減少する見通しです。当時は一時的に旅行客が7割も落ち込んでおり、その状況が1年間続くと仮定した場合、地域にとっては計り知れない損失となります。

内訳を見ると愛知県で674億円、岐阜県で70億円、三重県で22億円のマイナスとなる模様です。愛知県の減少額は、県内で一定期間に生み出されたモノやサービスの合計価値を示す「名目県内総生産」の0.17%に相当します。日本全体では1兆1899億円もの巨額の消費が失われる計算で、国の経済規模を表す「名目国内総生産(名目GDP)」を0.22%も押し下げる恐れがあり、決して他人事ではない局面を迎えています。

専門家は、SARSの時代に比べて中国人の購買力が格段に上がっているため、今回の打撃は当時より遥かに大きくなると指摘しました。実際にSNSでは「昔に比べて爆買いの規模が違うから、お店の痛手は相当なものなはず」という意見も見られます。単に観光客の数が減るだけでなく、日本の商業施設や飲食店が受ける実質的な経済的ショックは、過去のどの感染症流行時よりも甚大なものになると予想されるでしょう。

さらに、北の大地でも悲鳴が上がっています。道銀地域総合研究所(札幌市)の発表によると、この状況が2020年3月まで継続した場合、北海道内の宿泊観光消費の損失額は最大で426億円に上る見込みです。冬の絶景や雪まつりを楽しみにしていたはずの中国人観光客が、一気に19万人も減少してしまう計算になります。旅行者が消えた街の寂しさは、地元の方々にとっても非常に深刻な問題です。

この観光客の減少に伴い、道内の企業活動なども含む生産減少額は最大641億円に達し、北海道独自の経済規模を示す「道内総生産(道内GDP)」は364億円も減少する試算となりました。北海道の調査では、2019年1月から2019年3月における外国人観光客のうち、中国からの旅行者が約3割を占めてトップだっただけに、今回の渡航制限や旅行控えがもたらす反動はあまりにも大きすぎると言わざるを得ません。

編集部としては、特定の国からのインバウンド需要に依存しすぎていたこれまでの観光ビジネスのあり方を、今こそ見直すべきタイミングだと考えます。感染症のリスクは今後も予期せぬ形で発生する可能性があるでしょう。国内旅行の魅力を再発掘して内需を活性化させることや、欧米など多角的な国々から観光客を呼び込む仕組み作りを進めることが、災害や疫病に強い強靭な観光立国へと生まれ変わるための鍵になるはずです。

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