世界をリードする駆動モーターメーカーの日本電産が、経営の舵取りにおいて大きな決断を下しました。同社のトップである永守重信会長兼最高経営責任者は、2020年2月4日に開催された記者会見の席で、これまでの経営体制を抜本的に見直す方針を明らかにしたのです。かつて導入した複数の幹部による集団指導体制について、永守氏は「創業以来の最大の間違いだった」とまで言い切り、周囲を驚かせました。ここから同社の新たな挑戦が始まります。
この大胆な方針転換に対して、SNS上では「これほどの実績を持つ経営者が、自らの失敗を素直に認めて即座に軌道修正するスピード感はさすがだ」と称賛する声が相次いでいます。やはりカリスマ創業者による決断力は、多くのビジネスパーソンにとって刺激的なのでしょう。激変する市場を生き抜くためには、過去の成功や自らが作った仕組みにこだわらず、柔軟に変化し続ける姿勢が不可欠であることを、今回のニュースは物語っていると感じます。
注目の新体制では、2020年4月1日付で社長に就任する関潤氏と永守氏の2人に権限を集中させます。永守氏は、強いリーダーシップを持つ存在を「オオカミ」に例え、2匹のオオカミがタッグを組むことで迅速な判断が可能になると熱弁を振るいました。この「2トップ体制」への移行により、役割を明確に分担しながら、これまでにない超高速の経営判断を目指す構えです。これこそが、同社が強固な競争力を維持するための秘策と言えます。
関氏は、日産自動車で長年にわたり技術畑を歩んできた、まさにものづくりのスペシャリストです。そこで培われた豊富な知見を活かし、まずは永守氏が「頭が痛い」と頭を悩ませていた車載分野の指揮を執る予定となっています。車載分野とは、自動車に搭載される電子部品やモーターなどのシステムを指す専門用語であり、現在の自動車業界において最も技術革新が求められている重要領域の一つです。関氏の手腕に大きな期待がかかります。
会見の中で永守氏は、会議ばかりを重ねて物事が一向に決まらない組織の現状に、強い苛立ちを募らせていたことを告白しました。2019年の夏以降、米中貿易摩擦の激化に伴って業績が悪化する中、意思決定の遅さは致命傷になりかねません。特に今後の成長の柱として見込んでいるEV、すなわち電気自動車用の駆動モーター事業においては、驚異的な低価格を武器に攻勢をかける中国企業の台頭が予測されている状況です。
永守氏は「中国のライバルたちと互角以上に渡り合うためには、従来の5倍のスピードで動く必要がある」と危機感を露わにしています。関氏も「自ら決断を下すことの方が性に合っている」と頼もしく応じており、創業者の経営哲学を吸収しながら、スピード感あふれる組織へと脱皮させる覚悟です。今回の2トップ体制への回帰は、激動の時代を勝ち抜くために不可欠な、トップの執念が生んだ攻めの選択だと言えるでしょう。
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