健康志向の高まりを背景に、日本のフィットネス業界で新旧勢力の激しいシェア争いが巻き起こっています。「結果にコミット」のフレーズで知られるRIZAP(ライザップ)の台頭を筆頭に、市場のルールは大きく塗り替えられました。
これまでは、マシンが並ぶジム、プール、ヨガなどを行うスタジオの「三種の神器」を備えた総合型クラブが業界を牽引してきました。しかし現在、特定のニーズに特化した新興の施設が次々と登場し、独自の魅力を放っています。
SNSでも「自分の目的に合わせてジムを選べる時代になって嬉しい」「24時間営業なら仕事帰りにふらっと寄れる」といったポジティブな声が数多く寄せられており、ライフスタイルの多様化にマッチしていることが伺えます。
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タイパとコスパで圧倒する「24時間型」と、欲望に直球の「特化型」
いま勢力を急拡大しているのが、「エニタイムフィットネス」や「ジョイフィット」に代表される24時間営業型のジムです。駅の近くなどの好立地に展開し、プールなどを省いてマシンに特化することで月会費を数千円に抑えています。
一方で、特定の部位や目的に絞った「特化型ジム」も女性やビジネスマンを中心に大人気です。ウエストやお尻の引き締めに特化した内ボディメイクジムや、暗闇の中で人目を気にせず汗を流せる最先端の施設が注目を集めています。
さらに、心身の疲労回復を目指す瞑想(マインドフルネス)や高酸素、低酸素ルームを取り入れたリラックス重視のジムも存在します。ここで言う瞑想とは、心を静めて今この瞬間に集中し、脳の疲労を和らげる最先端のメンタルケアです。
このように多様な選択肢が生まれたことは、消費者にとって非常に喜ばしい変化だと私は考えます。一律のサービスに自分を合わせるのではなく、自分の目的や予算にぴったりの環境を選べることこそが、継続の秘訣になるでしょう。
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おうち時間がジムになる?スマホアプリという強力なライバルの出現
スポーツクラブのライバルは、同業他社だけではありません。スマートフォンを活用して自宅で手軽にトレーニングができるアプリの存在感が、ここにきて急速に高まっているのです。
2017年から運営されている健康管理アプリ「FiNC(フィンク)」は、すでに800万人を超えるユーザーにダウンロードされています。プロによる運動指導の動画を見られるだけでなく、日々の体重や睡眠時間を記録することも可能です。
さらに、AI(人工知能)が食事のカロリー計算をサポートしてくれるなど、至れり尽くせりの機能が満載となっています。こうした「いつでも、どこでも、無料で始められる」デジタルツールの普及は、既存のジムにとって大きな脅威です。
このデジタル化の流れに対して、私はリアルなジムの価値が改めて問われていると感じます。アプリの手軽さは魅力的ですが、トレーナーから直接指導を受ける体験や、専用の設備が生み出すモチベーションは、やはりリアルならではの強みです。
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反撃に出る総合型クラブ!シニア層に続く「次の一手」が成長のカギ
2018年のフィットネスクラブ全体の売上高は、経済産業省の調査で前年比1.3%増の3372億円を記録しました。しかし、2019年11月まで12カ月連続で会員数が前年を下回るなど、節約志向による陰りもささやかれています。
これまで業界を支えてきたのは、健康寿命の延伸を願うシニア世代でした。大手クラブでは会員の半数以上が50歳以上となっており、追加料金が必要なマンツーマントレーニングを利用するなど、高い顧客単価を維持しています。
そのため、今後の市場拡大にはシニア以外の若い世代をいかに取り込むかが不可欠です。アメリカでは国民の約2割がジムの会員であるのに対し、日本はまだ3%程度にすぎず、この数字は今後の大きな伸びしろを意味しています。
そこでセントラルスポーツやルネサンスなどの総合型クラブも、独自の24時間ジムを開設したり、柔軟な料金プランを用意したりして反撃を開始しました。各社が特色を競い合うことで、日本の健康文化はさらに豊かになるはずです。
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