広島県福山市に本拠を置く造船業界の雄、常石造船から期待の新星が登場しました。同社は2019年07月09日、輸送効率を劇的に向上させた新型ばら積み船「TESS42」を、国内の船主から初めて受注したと発表したのです。アジア諸国の目覚ましい経済発展を背景に、鉄鉱石や木材といった資源の輸送ニーズは日増しに高まっており、今回の新型船投入はまさに市場が待ち望んでいた一手と言えるでしょう。
この「TESS42」の最大の特徴は、驚異的な積載能力の向上にあります。ベースとなった従来の3万8千トン型船のコンパクトな船体サイズを維持しながら、最大載荷重量を4千トンも上乗せし、4万2千トンを実現しました。載荷重量とは、船が安全に浮いていられる限界まで荷物を積んだ際の重量を指します。大きさを変えずに運べる量を増やすという魔法のような設計は、港湾の入港制限を受けやすい船主にとって、この上ないメリットとなるはずです。
さらに注目すべきは、鉄鉱石などのばら積み貨物と木材を同時に運搬できる汎用性の高さです。特定の荷物しか運べない専用船とは異なり、復路での空船状態を減らせるこの仕様は、運航の経済性を極限まで高めてくれます。SNS上では「常石のTESSシリーズは安定感が違う」「このサイズ感で4万トン超えは現場として非常に扱いやすい」といった、実務に即したポジティブな反応が数多く見受けられました。
技術面でも妥協はなく、最新の電子制御エンジンが惜しみなく投入されています。電子制御エンジンとは、燃料の噴射量やタイミングをコンピューターで最適にコントロールする装置のことで、これにより燃費効率が飛躍的に向上しました。環境規制が厳格化する現代において、高い輸送効率と環境性能を両立させた常石造船の姿勢は、持続可能な物流のあり方を提示していると私は考えます。単なる大型化に頼らない進化こそ、日本のものづくりの真骨頂です。
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