2019年5月27日、熊本市からある重要な数字が発表されました。様々な事情で親が育てられない乳幼児を、匿名でも受け入れる慈恵病院の「こうのとりのゆりかご」、いわゆる「赤ちゃんポスト」に関する報告です。2018年度、この場所に託されたのは7人の小さな命でした。これは前年度と同数で、過去最少だった2016年度の5人に次いで2番目に少ない数字となっています。
2007年5月の運用開始以来、この「ゆりかご」で保護された子どもたちは累計で144人に上ります。2008年度の25人をピークとして、近年は低い水準で推移していますが、市側は「数の増減だけで良し悪しを評価することは難しい」と慎重な見方を示しました。単純に数が減ったから問題が解決した、とは言い切れない複雑な背景があるのでしょう。
今回預けられた7人の内訳を見ると、生後1週間未満の赤ちゃんが3人、1か月未満が2人と、生まれたばかりの命が大半を占めました。衝撃的なのは、そのうち4人が医療機関の助けを借りない危険な「自宅出産」だったことです。遠く近畿や中部地方から、誰にも頼れず熊本までたどり着いた母親たちの、追い詰められた姿が浮き彫りになっています。
このニュースに対し、SNS上では「とにかく生きていてくれて良かった」「母親を孤立させない社会が必要だ」といった、切実な声が多く上がりました。熊本市の大西一史市長も、国レベルでの法整備や支援体制の構築を強く訴えています。なんとか繋がれた7つの命は、私たち社会全体のあり方を静かに、しかし強く問いかけているのではないでしょうか。
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