2019年10月01日の消費税率引き上げから1週間が経過し、日本経済は今まさに大きな転換点を迎えています。産業界を牽引するトップ経営者たちは、この新しい局面をどのように捉えているのでしょうか。JFEスチールをはじめとする主要企業12社のリーダーが語る景気予測からは、楽観視できない世界情勢と、力強く脈動する国内需要の両面が浮き彫りになりました。
鉄鋼最大手であるJFEスチールの北野嘉久社長は、国内景気について「増税による急激な冷え込みは考えにくい」との見解を示されています。しかし、その視線は海の向こうにある巨大市場、中国の動向に注がれています。中国の景気減速は、鉄鋼の需要バランスを崩す大きな不安定要素です。私たち編集部としても、製造業の屋台骨である鉄鋼業界が受ける「外需」の波及効果には、今後も細心の注意を払うべきだと考えます。
半導体と建設、明暗分かれる業界最前線
一方で、ハイテク分野では厳しい声も上がっています。SCREENホールディングスの広江敏朗社長は、半導体市況が苦境に立たされている現状を明かしました。データの処理に欠かせない「半導体」の需要サイクルは、本格的な回復までにまだ時間を要する見込みです。SNS上では、この先行き不透明な状況に対し、「スマホやPCの買い替え控えが影響しているのでは」といった、消費者のリアルな不安の声も散見されます。
対照的に、建設業界は2020年の東京五輪を目前に控え、活況の極みにあります。大成建設の村田誉之社長によれば、都心の再開発プロジェクトは五輪後も途切れることなく、需要は極めて堅調に推移するとのことです。祭典が終われば景気が落ち込むという「ポスト五輪不況」の懸念を打ち消すような、力強い展望には勇気づけられます。日本の都市機能がアップデートされ続けることは、経済の底上げに直結するでしょう。
流通業界では、2019年10月から始まった「キャッシュレス・ポイント還元事業」が波紋を広げています。ライフコーポレーションの岩崎高治社長は、他店への顧客流出を強く警戒されています。この制度は、中小店舗でキャッシュレス決済をすると代金の最大5%が戻る仕組みですが、大手スーパーにとっては逆風となりかねません。消費者の「賢い選択」が、店舗間の勢力図を塗り替えようとしている今、経営者の手腕が試されています。
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