私たちの日常における買い物は、今やインターネット通販が当たり前のように感じられます。しかし、経済産業省の調査によれば2018年時点での物販EC化率はわずか6%に過ぎません。つまり、消費行動の9割以上は依然として実店舗で行われているのです。ソニーグループのフェリカネットワークスは、この膨大な「オフラインの購買データ」に着目し、新たな販促ソリューションを展開しています。
「日常の消費活動の94%はオフラインであり、その購買行動を捕捉できていない」と、同社の多田順氏は力説します。Amazonのようなプラットフォーマーがネット上の行動を詳細に分析する一方で、街中での買い物はデータ化が難しく、多くの企業が苦戦してきました。そこで同社は、紙のレシートをスマートフォンの写真で投稿してもらうことで、文字情報を自動で読み取り、価値あるデータへ変換する仕組みを構築したのです。
対象範囲が250万点へ急拡大!外食やアパレルも対象に
このサービスは2017年夏の開始当初、コンビニやスーパーの約40万点を対象としていました。しかし、現在はその6倍以上となる250万点まで拡大しており、2020年度にはさらに外食チェーンやアパレル、家電量販店へと裾野を広げる方針です。AIによる自動読み取りに加えて人の目による確認も併用しているため、非常に精度の高い判別が可能となっています。これにはSNS上でも「レシートがお金や特典に変わるなら嬉しい」と期待の声が上がっています。
消費者にとっても、この進化は大きな恩恵をもたらすでしょう。例えば、これまではスーパーでの購入に限られていたビールのキャンペーンが、2020年以降は居酒屋での飲食レシートでも応募可能になるかもしれません。特定の場所だけでなく、あらゆる消費シーンが特典の対象となることで、ユーザーはより気軽に、そして楽しくポイ活やキャンペーンへの参加ができるようになるはずです。
私は、この取り組みこそが日本企業のマーケティングを根本から変えると確信しています。これまで「点」でしか捉えられなかった消費者の行動が、レシートを通じて「線」でつながるからです。アナログな存在だった紙のレシートがデジタル時代の最強の武器になるという逆転の発想は、外食やファッション業界の競争力を劇的に高めるでしょう。データ活用が加速する2019年11月22日現在の動向から目が離せません。
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