私たちの水道水を狙った影の調整?活性炭談合事件の真相と独占禁止法違反の重い代償

私たちが毎日当たり前のように使っている水道水ですが、その安全を守る裏側で許しがたい不正が横行していました。公正取引委員会は2019年11月22日、浄水場などで不純物を取り除くために不可欠な「活性炭」の取引において、大手メーカーを含む計16社が不当な談合を行っていたと発表したのです。

今回の事件で独占禁止法違反、いわゆる「不当な取引制限」の認定を受けたのは、業界大手のクラレや大阪ガスケミカル、水ingといった名だたる企業ばかりです。独占禁止法とは、企業同士が自由に競争することで消費者が利益を得られるよう定められた法律であり、談合はその根幹を揺るがす行為に他なりません。

公正取引委員会は、違反が認められた企業のうち12社に対して、二度と不正を繰り返さないための「排除措置命令」を下しました。さらに、11社に対しては総額で約4億3000万円という巨額の課徴金納付を命じており、事態の深刻さが伺えるでしょう。

SNS上では「自分たちが払っている水道料金が、企業の不正な利益に消えていたのか」といった憤りの声や、「ライフラインに関わる分野で談合なんて信じられない」といった不信感が渦巻いています。公共性の高い事業だからこそ、企業倫理が厳しく問われるのは当然の結果だと言えるでしょう。

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長年にわたる巧妙な操作と「調整役」の存在

驚くべきことに、この不正行為は2013年以前から、当局の立ち入り検査が入った2017年2月まで、足掛け4年以上にわたって継続されていました。対象となったのは北海道から関東、近畿に至るまで、全国61の自治体が管理する137もの施設に及んでいます。

談合の具体的な手口は極めて組織的なものでした。本町化学工業が中心的な「調整役」を担い、各社の希望をヒアリングした上で、あらかじめ受注する企業を決定していたのです。入札の場では、選ばれた企業が確実に落札できるよう、他社がそれより高い価格を提示する「出来レース」が仕組まれていました。

活性炭は、ヤシ殻や石炭を特殊な方法で処理したもので、目に見えない微細な穴で有害物質を吸着する性質を持っています。浄水場やごみ焼却施設において、安全な水や空気を守るためのいわば「最後の砦」とも呼べる素材が、談合の道具にされていた事実は重く受け止めるべきでしょう。

本町化学工業は今回の命令に対し、真摯に受け止めてコンプライアンス(法令遵守)体制を強化するとのコメントを発表しています。しかし、一度失われた社会的な信頼を取り戻すのは容易ではありません。今後は法的措置だけでなく、各企業の姿勢そのものが厳しく監視されることになるでしょう。

個人的な見解を述べさせていただくと、こうした談合文化が未だに根強く残っている現状には強い危機感を覚えます。企業の利益を優先するあまり、国民の生活基盤を軽視するような体質は、令和の時代において決して許されるものではありません。透明性の高い入札制度の確立が急務です。

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