2019年12月02日、食の探求者として知られる小泉武夫氏が、冬の食卓を彩る至高の逸品を紹介してくれました。山梨県北杜市のキノコ農家を訪れた氏を待っていたのは、シイタケやタモギタケ、黒アワビタケといった色とりどりのキノコたちです。現代の栽培技術の進歩には目を見張るものがあり、百貨店には驚くほど多様な品種が並んでいますね。
無類のキノコ愛好家である氏は、自身の厨房「食魔亭」の冷蔵庫に常にこれらをストックし、週に3日は食卓に並べるそうです。そんな氏が今回、白ワインのお供として提案するのが「キノコとホタテのグラタン」です。このレシピは孫娘さんも山盛りを平らげるほどの大人気メニューで、今回はたっぷり5人前の分量で贅沢に仕立てられました。
材料には、一口大に裂いたマイタケとヒラタケ各1パック、そして半分に切った生ホタテの貝柱8個を使用します。ここでポイントとなるのが、素材の旨味を閉じ込める下準備です。ホタテは軽く塩を振り、白ワインでさっと煮ることで香りを引き立てます。さらに、一口大に切って下ゆでしたニンジン1.5本とブロッコリー1.5個を加え、彩りと栄養をプラスしましょう。
味の決め手となるのは、ホワイトソース1缶に生クリーム大さじ5、白ワイン大さじ2を混ぜ合わせた濃厚なソースです。これらを耐熱皿に盛り、お好みの量の塩と粉チーズを振りかけたら、180℃に熱したオーブンで7分間焼き上げます。焼き上がった皿の上には、ソースの白、ニンジンの緋色、ブロッコリーの緑が映え、まるで天然の絵画のような美しさが広がります。
実食した小泉氏は、キノコの「ホコリ、シコリ」とした独特の歯応えと、噛むたびに溢れる旨味を絶賛しています。さらにホタテの耽美な甘みが加わり、口の中はまさに「味覚極楽」の状態に。冷えた白ワインを「グビリンコ」と流し込めば、濃厚なソースのコクとワインの軽快な香味が調和し、胃の腑がじんわりと熱くなる至福のひとときを味わえるでしょう。
最後には、皿に残ったトロトロのソースにご飯を混ぜて「リゾット風」にして完食するのが小泉流の醍醐味です。SNS上でも「この擬音たっぷりの表現が食欲をそそる」「リゾットでの締めは反則級に美味しそう」と大きな反響を呼んでいます。旬の素材を余すことなく楽しむこのスタイルは、忙しい現代の私たちが忘れかけている食の豊かさを教えてくれます。
個人的には、単なるグラタンに留まらず、最後の一口までリゾットとして楽しむ「二段構え」の構成に、食のプロとしての遊び心と深い知恵を感じました。ホワイトソースは市販の缶詰を使いつつ、生クリームとワインで本格的な味に昇華させるテクニックは、家庭でもすぐに真似できる素晴らしいアイデアです。今夜は大切な人と、この贅沢な一皿を囲んでみてはいかがでしょうか。
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