災害復旧の最前線を支える「建機レンタル」の今。台風被害による需要急増と料金上昇の背景に迫る

私たちの生活基盤を守る建設現場において、欠かせない存在となっているのが「建設機械のレンタル」です。2019年12月06日現在、この業界に大きな変化が起きています。今秋に日本を襲った相次ぐ台風被害を受け、がれきの撤去やインフラの復旧作業に不可欠な重機たちの需要が、かつてないほどに高まっているのです。SNS上でも「被災地で見かけるレンタルの重機が頼もしすぎる」といった、現場で奮闘する建機への感謝や驚きの声が数多く寄せられています。

建機レンタル各社の稼働率は、驚異的な数字を叩き出しました。業界大手の西尾レントオールによれば、平時は60パーセントから65パーセント程度で推移する稼働率が、現在は約10ポイントも上昇しているといいます。特に福島県や北関東といった河川の氾濫被害が深刻だった地域では、土砂を取り除く油圧ショベルや地面を固める大型ローラーの注文が殺到しており、復旧作業のスピードを左右する重要な鍵を握っているのが現状です。

2019年09月の台風15号、そして10月に列島を揺るがした台風19号は、私たちの想像を超える爪痕を残しました。千葉県での大規模停電では、アクティオが保有する発電機の稼働率が前年比で1割も増加しています。発電機とは、燃料を用いて電気を作り出す機械のことですが、停電に見舞われた工場などの非常用電源として八面六臂の活躍を見せました。全国各地から機材をかき集めるほど、現場の切迫感は凄まじいものがあったと推察されます。

さらに、レンタルのニッケンでは、電線の修理や電柱の復旧に欠かせない「高所作業車」の需要が爆発しました。高所作業車とは、昇降するデッキを備え、高い場所での作業を安全に行うための特殊車両です。停電直後の約10日間は、稼働率が90パーセントを超えるという異例の事態に陥りました。こうした「空く暇がない」ほどのフル稼働状態は、被災地の再生に向けた懸命な努力の裏返しであり、レンタル企業の公共的な役割の大きさを物語っています。

建機レンタルの料金相場は、これまで東日本大震災後の特需が落ち着いたことで停滞気味でした。しかし、日銀が発表するサービス価格指数を見ると、2019年03月から緩やかな上昇に転じています。これは東京五輪に向けた首都圏の再開発や高速道路の整備に加え、秋以降の災害復旧需要が重なったためでしょう。本来、建機は性能での差別化が難しいため価格競争が激しい業界ですが、現在は需要が供給を上回る局面を迎えていると言えます。

筆者の視点としては、建機レンタル各社が単なる「貸し手」を超え、災害大国日本における「防災・減災のインフラ」として機能している点に注目すべきだと考えます。企業が自前で重機を所有せず、必要な時だけ借りる「シェアリング」の仕組みは、緊急時の機動力において極めて合理的です。一方で、輸送費の高騰や在庫の偏りなど課題も見受けられます。今後も続くであろう復旧作業を円滑に進めるため、適正な料金設定と安定供給の両立が求められるでしょう。

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