男性不妊の原因は48%!夫婦で挑む最新治療と、心強い自治体・企業の支援制度とは?

「不妊は女性の問題」という考えは、もう過去のものかもしれません。2019年11月現在、不妊の原因の約半分は男性側にあることが世界保健機関(WHO)の調査で明らかになっています。近年では、男性が気兼ねなく足を運べる専門クリニックや、夫婦が足並みを揃えて受診できる医療機関が注目を集めています。

SNS上でも「夫が検査に協力してくれて心が軽くなった」「一人で悩まずに済む場所が欲しい」といった声が目立ち始めています。男性が初期段階から検査を受けることは、単なる原因究明に留まりません。女性にかかる肉体的・精神的な重圧を分かち合い、夫婦の絆を深める大切なステップとしてポジティブに捉えられるようになっています。

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35歳から意識したい精子の質と専門外来の役割

2019年11月初旬、東京・渋谷の「恵比寿つじクリニック」では、男性不妊について学ぶ勉強会が開催されました。実は男性も35歳前後から精子の質が低下すると言われています。この勉強会は、まるで育児の準備をする「両親学級」のように、知識を共有し、不安を解消する貴重なコミュニティとして機能しています。

男性不妊の主な原因として、精子を作る機能が低下する「造精機能障害(ぞうせいきのうしょうがい)」が挙げられます。これは精液中の精子の数や動きに問題が生じる状態を指します。中でも、精巣周辺の静脈が腫れてしまう「精索静脈瘤(せいさくじょうみゃくりゅう)」は、手術によって約7割の患者さんに改善が見込まれる疾患です。

2018年度からはこの手術に公的医療保険が適用されるようになり、治療のハードルが大きく下がりました。不妊治療といえば、女性は通院回数が多く、身体への侵襲性(しんしゅうせい:体への負担)も高い傾向にあります。対して男性の検査は精液検査が中心で、比較的スムーズに進められるのが大きなメリットです。

夫婦が並んで歩む「リプロダクションセンター」の誕生

これまでは婦人科が窓口になることが多く、男性にとっては「入りにくい」という心理的な壁がありました。そこで2019年4月、聖隷浜松病院では男女の治療窓口を統合した「リプロダクションセンター」を設立しました。夫婦が一緒に同じ場所で治療に臨める環境は、孤独感の解消に大きく寄与しています。

男性側の治療が進むことで、高額で負担の大きい体外受精を避け、人工授精などのより自然に近い形での妊娠が可能になるケースも少なくありません。こうした医療の進歩に合わせ、自治体も動き出しています。全国60カ所以上の「不妊専門相談センター」では、医師や助産師に無料で相談できる体制が整っています。

横浜市や石川県などでは、泌尿器科の専門医による個別面談を実施しており、プライバシーに配慮したサポートが充実しています。不妊治療を「夫婦の共同プロジェクト」として捉え直すことで、精神的なゆとりが生まれるでしょう。私自身の考えとしても、早期に夫婦で受診することは、最善の近道であると感じます。

仕事との両立を支える企業の有給制度と国の助成金

不妊治療と仕事の両立も、見逃せない大きな課題です。厚生労働省の2018年の調査によれば、治療のために離職を余儀なくされた人が16%も存在しています。こうした現状を打破するため、三菱UFJフィナンシャル・グループは2019年7月から、男性も利用可能な不妊治療特化型の有給制度を導入しました。

また、経済的な負担に対しても2019年度から国の支援がパワーアップしています。男性不妊の手術に対する助成金が、初回に限り従来の15万円から30万円へと倍増しました。女性側の助成と合わせれば、初回に最大60万円の支援を受けられる計算になり、家計の負担を大幅に軽減できる仕組みとなっています。

国は2019年度内に、企業向けの両立支援マニュアルも完成させる予定です。治療はもはや個人の問題ではなく、社会全体で支えるべきフェーズに入ったといえるでしょう。最新の医療、公的なサポート、そして企業の制度を賢く活用し、自分たちらしい家族の形を模索していくことが推奨される時代なのです。

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