2020年の東京五輪を目前に控え、代表選考の行方を占う重要な一戦が幕を閉じました。2019年12月14日、中国・青島で開催された「柔道マスターズ」最終日は、日本重量級のエースたちが意地を見せる展開となっています。なかでも男子100キロ超級では、リオ五輪銀メダリストの原沢久喜選手が見事に優勝を飾り、五輪金メダル候補としての存在感を世界に知らしめました。
今回、原沢選手が制した「マスターズ」とは、五輪や世界選手権に次ぐ高い格付けを持つ大会です。出場できるのは原則として世界ランキング36位以内の強豪のみという、まさに精鋭が集うサバイバル。SNS上では「ハイレベルな戦いで目が離せない」「原沢選手の安定感が戻ってきた」といった熱いコメントが飛び交い、柔道ファンの視線が青島の畳に釘付けとなったことが伺えます。
宿敵との再戦は不戦勝、影浦心も執念の3位入賞
注目された男子100キロ超級の決勝は、意外な結末を迎えました。原沢選手の対戦相手は、先日の世界選手権決勝で苦杯をなめさせられた宿敵ルカシュ・クルパレク選手でしたが、相手の棄権により不戦勝での戴冠となりました。直接対決が見られなかったのは惜しまれますが、厳しいトーナメントを勝ち抜いて決勝の舞台に立ち続けた原沢選手の執念が、勝利を呼び込んだといえるでしょう。
同じく100キロ超級に出場した影浦心選手も、粘り強い柔道を見せてくれました。準々決勝での敗退を喫しながらも、敗者復活戦から這い上がり、3位決定戦を制して表彰台に登っています。不屈の精神でメダルを死守する姿は、層の厚い日本重量級の底力を改めて証明する形となりました。代表枠を争うライバル同士の切磋琢磨が、チームジャパンをさらに強くしていくはずです。
ウルフ・アロン惜敗の銀、若手とベテランの現在地
一方、100キロ級では世界選手権3位のウルフ・アロン選手が、決勝でオランダのミカエル・コレル選手と激突しました。試合は一進一退の攻防が続き、決着は延長戦へと持ち越されましたが、惜しくも敗れて準優勝。あと一歩のところで頂点を逃した悔しさは計り知れませんが、大舞台での勝負強さは健在です。SNSでも「ウルフ選手の攻撃的な柔道は次につながる」と、次戦への期待を込めたエールが相次いでいます。
中量級の90キロ級では、長沢憲大選手と村尾三四郎選手が挑みましたが、世界の壁を痛感する結果となりました。長沢選手は3位決定戦で力尽き、村尾選手も敗者復活戦で涙を呑んでいます。また、女子78キロ級のベテラン梅木真美選手も初戦で敗退するなど、厳しい現実を突きつけられた形です。勝負の世界の厳しさを知るからこそ、ここからの巻き返しが2020年の感動を生むと私は信じています。
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