生活用品の枠を超え、家電業界でも凄まじい勢いを見せるアイリスオーヤマが、ついにテレビ市場への本格的な攻勢を開始しました。仙台市に本社を置く同社は2019年11月13日、新たな武器として音声操作が可能な4K対応液晶テレビの発売を発表しています。11月中旬より順次投入される全7機種のラインナップは、2020年の東京五輪を目前に控え、盛り上がりを見せるテレビ需要の波を確実にとらえようとする戦略的な一手と言えるでしょう。
同社が掲げる2019年度のグループ全体の売上計画は5600億円にのぼり、そのうち約2割を家電事業でまかなうという野心的な目標を掲げています。今回のテレビ市場参入は、これまで築き上げた顧客層をさらに広げるための重要な鍵を握っているのです。ネット上では「ついにアイリスがテレビまで!」といった驚きの声とともに、圧倒的なコストパフォーマンスへの期待感から、SNSでも早くも大きな注目を集めています。
リモコンいらずの快適生活!音声操作でテレビが変わる
今回登場する新製品の最大の特徴は、何と言っても「音声操作」の利便性にあります。専用のリモコンに向かって「テレビをつけて」といった具体的な指示を出すだけで、電源のオン・オフからチャンネル切り替えまで、約27種類の操作ワードに反応してくれます。家事で手が離せない時や、リモコンが見当たらない時でも声だけで完結する体験は、私たちの生活を劇的に効率化してくれるに違いありません。
ここで注目すべきは「4K対応」というスペックです。4Kとは、従来のフルハイビジョンに比べて約4倍の画素数を持つ高精細な映像規格を指し、より緻密で鮮やかな色彩を楽しむことができます。なお、実際に4K放送を視聴するには別途チューナーが必要となりますが、大画面で没入感のある映像体験が手に入る価値は計り知れません。出荷目標も初年度で5万台と、並々ならぬ自信がうかがえます。
気になる価格帯は、2019年11月20日から発売される7機種で、税抜き9万9800円から18万8000円という設定になっています。高機能でありながら手に届きやすい価格設定は、まさにユーザー目線に立ったアイリスオーヤマらしい展開です。東京都港区で開催された13日の新製品発表会では、同社の家電事業を統括する石垣達也氏が「数年以内にシェア10%を目指す」と力強く宣言しました。
編集部の視点:大物家電市場を席巻するアイリスの破壊力
2017年からエアコンや冷蔵庫、洗濯機といった、いわゆる「白物家電」から「大物家電」へと次々にジャンルを広げてきた同社のスピード感には目を見張るものがあります。既存の家電メーカーが苦戦を強いられる場面もある中で、必要な機能に絞り込み、低価格を実現する「なるほど家電」の哲学が、ついにテレビというリビングの主役の座にも及んだことは、業界にとって大きな激震となるはずです。
私個人の意見としては、単に安さだけを追求するのではなく、音声操作という「現代のライフスタイルに直結する付加価値」を盛り込んできた点に、同社のマーケティングの鋭さを感じます。国内の大手メーカーが立ち並ぶテレビ市場において、10%というシェア目標は決して容易ではありませんが、この攻勢が続くならば、近い将来に家電量販店の棚割りが一変する可能性も十分に考えられるでしょう。
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