2019年12月05日現在、国内のデータセンター市場は大きな転換期を迎えています。調査会社のIDCジャパンによれば、2019年のデータセンター新設・増設への投資額は、前年比で約35%も増加し、1245億円という驚異的な数字を記録する見込みです。
しかし、この華やかな数字の裏側では、これまで業界を牽引してきた国内システム会社が苦境に立たされています。SNS上でも「自社サーバーの維持が限界に近い」「クラウド化の流れには抗えない」といった、現場の切実な声が数多く上がっているのが現状です。
クラウドの荒波に揉まれる国内システム会社
システム会社の投資が消極的になっている最大の要因は、急速な「クラウド移行」にあります。これは、インターネット経由でコンピューター資源を利用する仕組みのことで、自前で設備を持つ必要がなくなるため、多くの企業がこちらを選び始めているのです。
かつては、自社で機器を管理する「オンプレミス」が主流でしたが、今やその需要は激減しています。拡張性に乏しい従来型のデータセンターは、利用者が減って「歯抜け」状態のラックが目立つという、なんとも寂しい光景が広がっているようです。
巨大な需要を掴む通信事業者と最新鋭の拠点
一方で、アマゾンやグーグルといった世界的な巨人の需要を背景に、通信事業者は強気の攻勢をかけています。例えば、株式会社インターネットイニシアティブは、2019年05月に千葉県白井市で大規模なデータセンターキャンパスを稼働させました。
こちらの施設では、業務を自動化する「RPA」やAIによる空調制御が導入されており、まさに次世代のモデルといえるでしょう。また、NTTコミュニケーションズも2019年12月に大阪府茨木市で新たな拠点を開設し、関西圏での接続性を強化しています。
規模の経済がもたらす業界再編の必然性
私個人の見解としては、もはやデータセンター事業は「体力測定」のフェーズに入ったと感じます。1棟で数百億円規模の投資が求められる中、資金力のない中規模以下の事業者が生き残るのは、極めて困難な道になるのではないでしょうか。
「規模こそが正義」というビジネスモデルが鮮明になる中、海外のように日本でも事業売却や統合といった再編が加速するのは確実でしょう。単なる「場所貸し」から脱却し、付加価値を提供できない企業は、淘汰される運命にあるのかもしれません。
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