スペインのマドリードで2019年12月13日現在開催されている、第25回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)が大きな転換点を迎えています。石炭火力発電の継続を巡り、日本政府への厳しい視線が注がれる中で、民間企業は驚くべき技術力で未来を切り拓こうとしているのです。
中でも熱い視線を集めているのが、ジャパンパビリオンに出展している千代田化工建設です。「次は水素だ」という力強いキャッチコピーを掲げ、同社が世界に誇る水素貯蔵・輸送技術を披露しています。これは、気体である水素を常温かつ常圧で液体へと変える画期的なイノベーションと言えるでしょう。
そもそも、私たちが日常で使う電気を太陽光や風力といった再生可能エネルギーで賄うには、大きな課題があります。それは気象条件によって発電量が左右される「不安定さ」です。この問題を解決するのが、エネルギーを貯蔵する技術であり、同社はそれを「水素」という形で実現しようとしています。
会場に設置されたジオラマでは、水素を製造してタンカーで運ぶ一連の「サプライチェーン」が表現されていました。サプライチェーンとは、製品が作られてから消費者に届くまでの供給の連鎖を指します。千代田化工建設は、2020年から約1年をかけてブルネイから日本へ液体水素を運ぶ壮大な実証実験を予定しています。
政府を上回るスピード感!民間主導で加速する「脱炭素」の潮流
一方で、国際社会からの風当たりは決して優しくありません。2019年12月11日には、小泉進次郎環境相の演説内容が脱石炭に踏み込まなかったとして、環境団体から不名誉な「化石賞」を贈られる場面もありました。しかし、こうした政治的な停滞を横目に、日本企業の動きは極めて能動的です。
SNS上では「政府の対応はもどかしいが、企業の技術力には希望を感じる」といった声が散見されます。投資の世界でも、環境や社会への配慮を重視する「ESG投資」が主流となりつつあります。これは、財務情報だけでなく、企業の持続可能性を評価して投資先を決める手法で、今や企業にとって避けては通れない道です。
パナソニックは、地域でエネルギーを融通し合い、余剰分を水素で蓄えるスマートなシステムを提案しています。また、墨田区のスタートアップであるチャレナジーは、台風の強風すらもエネルギーに変える革新的な風力発電機を展示しました。これらは、日本の技術が世界の脱炭素化を牽引できる証左ではないでしょうか。
事業運営に必要な電力を100%再生可能エネルギーで賄う国際的な企業連合「RE100」への参加も、リコーやパナソニックを含め約30社まで拡大しています。再生エネのコストという壁は依然として存在しますが、企業の情熱が国の目標を追い越そうとしている今の状況は、非常に頼もしく感じられます。
個人的な見解を述べれば、政治の議論も重要ですが、現場で生まれる「実装可能な技術」こそが地球を救う鍵になると確信しています。2020年から始まる本格的な取り組みによって、日本が「課題先進国」から「解決先進国」へと進化することを期待せずにはいられません。
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