2020年1月1日、新しい時代の幕開けとともに「空」がこれまで以上に私たちの生活に急接近しています。これまでホビーとしての印象が強かったドローン(小型無人機)ですが、現在は深刻な人手不足に悩む農業での農薬散布や、老朽化したインフラの点検など、産業の救世主として目覚ましい活躍を見せているのです。
ドローン市場は今、爆発的な成長の真っ只中にあります。米ゴールドマン・サックスの予測によれば、2020年には世界市場が約10兆円規模に達するとされ、軍事利用のみならず建設や保険といった商業分野での活用が急加速しています。特に日本国内では、2019年に国土交通省による規制緩和が進んだことで、実用化に向けた実証実験が全国各地で花開きました。
災害支援の最前線!ANAHDが挑む物資搬送の今
なかでも注目を集めているのが、災害時における活用です。ANAホールディングスは、2019年に関東を襲った台風19号の被災地である東京都奥多摩町において、NTTドコモらと協力し、孤立した集落への物資搬送を実施しました。道路が寸断され、人の手による運搬が二次災害を招く恐れがあるなか、ドローンは歯ブラシなどの生活必需品を無事に届けたのです。
さらに、この動きは物流の形そのものを変えようとしています。ANAHDは福岡市で海産物の輸送実験にも取り組んでおり、将来的には人手不足に悩む漁村の課題解決を目指しています。コンビニ大手もこの流れに追随しており、ネット上では「買い物難民の救いになる」「5Gが本格化すればもっと安定するはず」といった期待の声が続出しています。
5Gで加速するスマートな防災・点検システム
これからの鍵を握るのは、次世代通信規格「5G」です。5Gとは「超高速・低遅延・多数同時接続」を特徴とする通信技術のことで、これによってドローンから送られる4Kや8Kの高精細な映像をリアルタイムでやり取りすることが可能になります。映像が鮮明になれば、建物のヒビ一つを見逃さない高度な点検や、より精密な避難誘導が実現するでしょう。
実際に、パーソルプロセス&テクノロジーは2019年11月から広島県神石高原町で、住民自らがドローンを操縦して防災に役立てる画期的な実証実験を開始しました。撮影した上空写真と過去の地図を照合し、土砂崩れのリスクを解析する試みです。このように、テクノロジーを「自分たちの手」で使いこなすモデルケースが、地方創生の新たな形として注目されています。
編集者の視点から言えば、ドローンは単なる「便利な機械」を超え、日本の構造的な弱点である「労働力不足」と「災害リスク」を補完する不可欠なパートナーになりつつあります。2020年、5Gの商用サービス開始とともに、私たちの頭上を飛び交うドローンが当たり前の景色になる日は、もうすぐそこまで来ていると言えるでしょう。
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