2020年が幕を開け、今年は十二支の始まりである子年を迎えました。本日、2020年1月8日現在、京都の風情あふれる「哲学の道」周辺に位置する大豊神社が、かつてないほどの熱気を帯びているのをご存知でしょうか。干支にちなんだ参拝客で連日賑わいを見せており、新年早々から大きな注目を集めています。
この神社最大の魅力は、神様を守護する像としてお馴染みの「狛犬」ならぬ、愛らしい「狛ねずみ」が鎮座していることです。狛犬とは本来、邪気を払い神域を守護する想像上の獣ですが、ここでは干支の主役がその大役を任されました。他ではなかなか見られない珍しい光景に、思わず心惹かれることでしょう。
彼らが守っているのは、境内にある「末社」の一つとして鎮座する大国社となります。末社とは、本社に付属して縁の深い神様を祀る小さな神社のことを指します。ここに祀られている大国主命は、国造りや縁結びの神様として日本中で広く親しまれている、非常に偉大な存在といえるはずです。
神話が息づく愛らしい姿とSNSでの大反響
なぜ大国主命の前にねずみがいるのか、不思議に思う方も多いかもしれません。その理由は、日本最古の歴史書である「古事記」の神話に記されたエピソードに深い関わりを持っています。大国主命が野火に囲まれ絶体絶命の危機に陥った際、一匹のねずみが洞窟に案内して命を救ったという劇的な物語が背景にあるのです。
狛ねずみたちの姿をよく観察すると、それぞれ異なるアイテムを大切そうに抱えているのが分かります。向かって右側のねずみが持っているのは学問の象徴である巻物で、左側のねずみが抱えるのは生命の源を意味する水玉に他なりません。そのため、学業成就や子授け、さらには安産など、多岐にわたるご利益を期待できます。
こうした魅力あふれる姿に対し、SNS上でも「巻物を持った姿がキュートすぎる」「御朱印帳が可愛くてたまらない」といった反響が次々と投稿されました。2020年1月1日の初詣から長蛇の列が形成されており、その人気はとどまることを知りません。授与品が品薄となり、急遽追加で発注(発チュウ)されたほどです。
一編集者として、このように日本の伝統的な神話が「可愛さ」という現代のポップカルチャーを通じて再評価される現象を、心から喜ばしく感じています。古事記という古典の世界が、SNSの拡散力によって若い世代にも身近なものへと変化していくプロセスは実に痛快といえるでしょう。歴史のロマンに触れながら、可愛らしい狛ねずみから新年のパワーを受け取ってみてはいかがでしょうか。
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