ESG投資の波が日本上陸!気候変動の情報開示で世界をリードする日本企業の未来と金融界の新潮流

2020年は、金融業界においてESGへの取り組みがこれまで以上に活発化する重要な1年になりそうです。環境・社会・企業統治を重視するこの新しい評価基準は、もはや単なるブームではなく、企業が生き残るための必須条件へと変化しています。

SNS上でも「これからの投資は環境への配慮が不可欠」「ESGを無視する企業は淘汰される時代が来た」といった声が数多く見られ、一般の関心も急速に高まっている様子がうかがえます。上場企業は対応を急いでおり、情報開示の動きは一気に加速する見通しです。

[b]気候変動の財務リスクを開示する世界的なタスクフォース[/b]

ここで注目したいのが「TCFD」という専門用語です。これは「気候関連財務情報開示タスクフォース」の略称で、地球温暖化などの気候変動が企業の財務にどのような影響を与えるか、その情報の開示を求める国際的な組織のことを指しています。

驚くべきことに、世界で約900社あるTCFDへの賛同企業のうち、日本企業は約200社と国別で世界最多を誇っています。アメリカやイギリスが120社から130社程度にとどまる中、日本の環境に対する意識の高さが世界をリードしている状況なのです。

証券アナリストからも「情報開示が遅れる企業は、投資家から選ばれなくなるリスクがある」との鋭い指摘が出ています。今年は他社の動向を意識した「横並びの開示」が日本中で一気に進むと予想され、企業の透明性はさらに高まるでしょう。

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国の後押しと世界的なマネーの潮流

こうした動きを後押しするように、金融庁は2020年3月にも、機関投資家の行動指針である「スチュワードシップ・コード」を改定する方針を固めました。この改定案には、ESG投資を重視する文言が初めて盛り込まれる予定となっています。

海外に目を向けると、イギリスが2019年10月に同様の指針を改定して先行していましたが、これまでは静観していたアメリカの金融大手にも変化の兆しが現れ始めました。世界最大の市場である米国勢の参入により、この流れは決定的なものとなります。

大手運用会社であるJPモルガン・アセット・マネジメントは、2019年後半に早くもESG専従チームを立ち上げました。パッシブ運用と呼ばれる指数連動型の投資を除くすべての資産で、ESGの評価を導入することを決めています。

これまで日本の運用業界からは「ESGを重視しても本当に儲かるのか」という疑問の声もありました。しかし、世界的な資金を預かるためには、もはや環境や社会への配慮は「ポリティカル・コレクトネス(社会的な正しさ)」として不可欠なのです。

銀行融資を巡る国際圧力と日本政府のジレンマ

この巨大な波は、私たちが普段利用する銀行の融資方針にも大きな影響を及ぼし始めています。特に焦点となっているのが、二酸化炭素の排出量が多いことで批判の対象となりやすい「石炭火力発電」への融資の是非についてです。

日本のメガバンク各社は、2018年から2019年にかけて、石炭火力発電への新規融資を原則として中止する方針や、二酸化炭素の排出が少ない高効率な発電に限定する方針を相次いで発表し、国際的な批判に対応してきました。

しかし、日本政府のエネルギー基本計画では、2030年度の電源構成において石炭火力発電が依然として26%を占める計画です。安価で安定した電力を供給するためには、現実問題として石炭火力を急にはゼロにできません。

筆者の意見として、環境への配慮は絶対に必要ですが、エネルギーの安定供給という現実とのバランスを欠いては元も子もありません。日本の銀行は、国際的な圧力と国内の政策のはざまで、極めて難しい舵取りを迫られていると言えます。

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