資本主義は限界なのか?オリックス宮内義彦氏が鋭く突く「官製市場」の罠と日本経済再生への道

世界的なカネ余りが進む一方で、現代の市場経済は大きな壁に直面しています。こうした不透明な時代において、企業や国家はどのような舵取りをすべきなのでしょうか。オリックスのシニア・チェアマンを務める宮内義彦(みやうち・よしひこ)氏は、現在の資本主義が行き詰まったと判断するのは時期尚早であると指摘します。同氏によれば、問題の本質はシステムの崩壊ではなく、資本主義を正しく機能させるための「ガバナンス(健全な企業統治や管理体制)」が揺らいでいる点にあるのです。

経済的な富を生み出す生産システムとして、市場経済は今も有効に機能しています。しかし、生み出された富を社会へ公平に配分する仕組みが不足しているのが現状です。本来、この分配を担うべきなのは国家ですが、地球規模で経済が一体化する「グローバリズム」の進展がそれを阻んでいます。一国の税制や独占禁止法だけでは、タックスヘイブン(租税回避地)のような法的な抜け穴に対処できません。富の偏在を解消するには、国境を越えた強力な国際連携が不可欠となっています。

ネット上でも「一国だけの規制では限界がある」「富の再分配にはグローバルなルール作りが必要だ」といった宮内氏の意見に共感する声が多数上がっています。さらに深刻なのは、2008年のリーマン・ショックによる傷跡が今なお残り、投資家や企業の「アニマル・スピリット(恐れずにリスクを取って挑戦する湧き上がるような意気込み)」が失われている点です。世界的な超低金利とデフレへの警戒感から、多くの企業が挑戦よりもリスク回避を最優先にしています。

環境問題やアフリカの貧困対策など、世界には莫大な投資を必要とする領域が数多く存在します。これらをボランティアではなく、企業の収益に結びつける革新的な仕組みさえ構築できれば、自然とお金は循環し始めるはずです。私は、民間企業が社会的課題の解決をビジネスチャンスに変える先進的な試みをもっと主導すべきだと考えます。国家の補助金に頼るばかりではなく、市場のダイナミズムを活かした持続可能な投資サイクルを生み出すことこそが急務です。

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ブレーキばかりの日本型ガバナンスと官製市場からの脱却

日本の「コーポレート・ガバナンス(企業統治)」の現状について、宮内氏は極めて不十分であると苦言を呈します。単に社外取締役を増やしてコンプライアンス(法令順守)を徹底するだけでは意味がありません。企業統治の真の目的は、組織を中長期的に成長させることです。本来は、革新的なトップが成長に向けて最大限にアクセルを踏み、それを監督するためにガバナンスが存在すべきですが、現在の日本はアクセルを踏む経営者が不在のまま、ブレーキの議論ばかりが先行しています。

さらに憂慮すべき事態として、日本銀行による買い支えや公的年金が最大株主となっている現状が挙げられます。これでは自由な「フリーマーケット」とは呼べず、国家が主導する「官製市場」に変貌していると言わざるを得ません。SNSでは「官製相場では本当の株価が見えない」「これでは企業が弱体化するのも当然だ」といった危機感を露わにする書き込みが目立ちます。国に守られた市場では企業の生命力が失われ、たくましい成長は期待できないでしょう。

富が生み出されないまま格差への不満だけが募る社会は、あまりにも不幸です。私は、日本経済が再び輝きを取り戻すためには、政府が市場への過度な介入を抑え、民間企業が主役となる環境を再構築すべきだと強く主張します。経営者がアニマル・スピリットを呼び覚まし、失敗を恐れずにイノベーションへ挑むことこそが、停滞を打破する唯一の鍵となります。今こそ、お上頼みの姿勢を捨て、民間主導の荒々しくも健全な資本主義を取り戻すべきです。

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