企業倒産が11年ぶり増加!2019年のデータから紐解く人手不足と後継者難の深刻なリスク

日本のビジネス界に、にわかに緊張が走るデータが公開されました。東京商工リサーチが2020年1月14日に発表した最新の調査によると、2019年1月1日から2019年12月31日までの1年間における全国の企業倒産件数は、前年と比べて1.7%の微増となる8383件に達したそうです。これは世界的な金融危機を引き起こしたリーマン・ショック直後の2008年以来、実に11年ぶりに増加へと転じたことを意味しており、市場の冷え込みを予感させます。

SNS上でもこのニュースは瞬く間に拡散され、多くのビジネスパーソンや求職者の間で大きな話題となりました。「景気が良いと言われているのに、なぜ倒産が増えるのか」「自分の会社は本当に大丈夫だろうか」といった不安の声が数多く上がっています。それだけでなく、身近な老舗店舗の閉店などを引き合いに出し、地方経済の行く末を本気で心配する書き込みも目立っており、国民の関心の高さがうかがえるでしょう。

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負債総額は過去30年で最少という奇妙な現象

しかし、今回の統計には少し不思議な特徴も見られます。倒産の数自体は増えているものの、企業が抱えていた借金の合計である負債総額は、前年比4.1%減の1兆4232億円にとどまりました。この金額は、なんと過去30年間で最も低い水準を記録しています。理由としては、負債額が10億円を超えるような大規模な経営破綻が200件未満に抑えられたことが影響しており、日本経済の土台が一気に崩れるような事態には至っていません。

ここで注目すべきは、倒産している企業の多くが、決して巨額の負債を抱えて破産したわけではないという点です。つまり、手元の資金が完全に底をついたというよりは、別の決定的な要因によって事業を継続できなくなった中小企業が急増していると分析できます。これこそが、現在の日本企業が直面している新しい形の危機と言えるでしょう。

深刻さを増す人手不足と後継者難という爆弾

その要因の正体こそが、深刻な「人手不足」です。この問題に起因する倒産は426件にのぼり、調査を開始した2013年以降で最悪の数値を記録しました。内訳を見ると、事業を引き継ぐ人が見つからない「後継者難」が全体の6割以上を占めています。いくら黒字を出していても、社長の高齢化や若者離れによって、会社を畳まざるを得ない悲しい現実が浮き彫りになりました。

さらに、従業員が集まらない「求人難」や、働いてくれる人を確保するために給与を上げざるを得ない「人件費高騰」も、経営の体力をじわじわと奪っています。このような人手不足関連の倒産、いわゆる「黒字倒産(利益は出ているのに資金繰りや人員不足で潰れること)」のリスクは、もはやどの企業にとっても他人事ではないはずです。

私は今回のデータを見て、国や自治体による中小企業への支援策が、時代の変化に追いついていないのではないかと強く感じます。資金を融資するだけの画一的なサポートではなく、次世代への事業承継を円滑に進めるためのマッチングや、業務を効率化するためのIT導入への具体的な後押しが今すぐ必要不可欠です。これからの時代を生き抜くために、企業もこれまでのやり方に固執せず、構造改革を進めるべきでしょう。

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