私たちの暮らしを支える日本各地の経済に、今少し不穏な空気が漂っています。日本銀行が2020年01月15日に発表した「地域経済報告」、通称「さくらリポート」によると、全国9地域のうち3つのエリアで景気の全体的な評価が引き下げられたことが判明しました。
このさくらリポートとは、日銀が3ヶ月に1度、全国の支店長会議での議論をもとにまとめる「経済の天気予報」のようなものです。今回は北陸、東海、中国の3地域で評価が下方修正され、これは2019年04月以来の多さとして注目を集めています。
SNS上でもこのニュースは敏感に受け止められており、「身の回りの不景気感がついに数字に出た」「製造業の現場は本当に厳しい状況だ」といった、リアルな悲鳴に近い声が次々と上がっている状況です。やはり、現場の肌感覚と今回の発表は一致しているのでしょう。
世界的な貿易摩擦と容赦ない自然災害が直撃
景気の足を引っ張る最大の要因となっているのが、製造業における生産活動の停滞です。特に米中貿易摩擦、つまりアメリカと中国が互いに高い関税をかけ合って対立した問題が、世界の貿易を冷え込ませ、日本の工場にも影を落としています。
さらに追い打ちをかけたのが、2019年10月に上陸した台風19号による甚大な浸水被害でした。これにより一部の工場が操業停止に追い込まれ、部品を調達する一連の流れである「サプライチェーン(供給網)」が寸断される事態に陥ったのです。
一度切れてしまった供給網を元に戻すのは容易ではなく、他社への乗り換えを余儀なくされた企業からは、「被災前の水準に生産を戻すのは極めて厳しい」という切実な声が漏れています。自然災害の傷跡は、私たちが想像する以上に深く残っている模様です。
消費増税のリアルな影響とこれからの行方
もう一つ気になるのが、私たちの財布の紐に直結する消費税率引き上げの影響ではないでしょうか。日銀の報告では個人消費の判断自体は据え置かれたものの、現場の意見は大きく二つに分かれており、一筋縄ではいかない現状が浮き彫りになっています。
例えば、「高級家電などの売れ行きは戻りつつある」という前向きな声がある一方で、「増税後に新車の販売台数が大きく落ち込んだ」という自動車販売店の嘆きも聞かれます。節約志向を強める家族連れが外食を控える動きもあり、一喜一憂が続いています。
ただ、そんな中でも電気自動車(EV)や次世代通信規格「5G」といった、これからの成長分野への設備投資は非常に活発です。人手不足を補うためのロボット導入など、企業が未来へ向けて生き残るための投資を惜しんでいない点は救いと言えます。
地方の元気がなくなれば、巡り巡って日本全体の活気が失われてしまうのは言うまでもありません。大企業の業績だけでなく、地方の中小企業や私たちの生活にまで温かい風が吹くような、実効性のある次なる経済対策や金融政策を強く期待したいところです。
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