宅配便の再配達問題を解消!アマゾンや佐川が挑む「早朝宅配」のメリットとネット通販の未来

インターネット通販の爆発的な普及に伴い、私たちの生活は非常に便利になりました。しかしその裏側で、宅配便の取り扱い個数は右肩上がりに増え続けています。国土交通省の発表によると、2018年度の宅配便取扱数は約43億個に達し、この10年間で3割も増加しました。これに伴い、配送現場の人手不足は深刻化の一途をたどっています。

特に配送業者を悩ませているのが、荷物を一度で届けられない「再配達問題」です。2019年10月時点における大手3社の全国平均再配達率は15%を記録し、都市部に至っては16.6%に跳ね上がっています。国の試算では、この再配達によって年間約9万人分もの貴重な労働力が浪費されているとされ、物流業界の大きな課題となっています。

こうした苦境を打破する「奥の手」として、今まさに注目を集めているのが、在宅率が極めて高い早朝(6時から9時)の時間帯を活用した新しい配送スタイルです。これまで業界内では、朝の9時前には配達をしないという暗黙の了解が存在していました。しかし、背に腹は代えられない状況の中、その歴史ある慣習が大きな転換期を迎えています。

いち早く動いたのがEC大手のアマゾンジャパンです。同社は個人ドライバーに業務を委託する「アマゾンフレックス」を2018年11月から東京や神奈川の一部で開始し、足元では仙台市や札幌市などの地方都市へも拡大しています。朝7時から勤務が始まるこのサービスは、通勤や通学を控えた忙しい現代人のライフスタイルに合致しています。

また、アスクルが運営するネット通販「LOHACO(ロハコ)」の配送サービスでは、なんと午前6時からの1時間単位で細かく時間指定ができる体制を整えました。さらに大手物流の佐川急便も、早朝配達の本格的なサービス導入に向けて前向きな検討に入っています。各社がこぞってこの時間帯に熱視線を送るのには明確な理由があります。

楽天市場を運営する楽天の物流担当者も「1番在宅率が高いのは朝であり、午前10時までにどれだけ配り終えるかで生産性が劇的に変わる」と語っています。EC(電子商取引、いわゆるネット通販のこと)の市場が広がる中で、朝の時間を制することが物流を効率化する最大の鍵になるのは間違いないでしょう。

この画期的な取り組みに対して、SNS上では「出勤前に確実に受け取れるのは本当にありがたい」「再配達の手間が省けてお互いにウィンウィン」といった歓迎の声が多数上がっています。その一方で、「寝ている時間にインターホンが鳴るのは困る」「早朝から配達員が働くのは大変そう」と、生活リズムへの影響や労働環境を心配する声も聞かれます。

こうした消費者の戸惑いや反発を和らげるため、楽天では土日や祝日の配達を8時以降にするなどの優しい配慮を行っています。さらに、新聞販売店のネットワークを活用して、朝刊の配達と同時に非対面で荷物を届ける「置き配」を組み合わせるという、ユニークでスマートな物流網の構築も大手宅配業者との間で検討され始めました。

筆者は、この早朝宅配こそが日本の物流危機を救う希望の光になると確信しています。もちろん、早朝のチャイムに対する配慮や、配送員の労務管理といった課題は無視できません。しかし、置き配の併用や時間指定の細分化を進めれば、お互いのストレスは最小限に抑えられます。荷物は朝に受け取る、そんな新常識が定着する日も近そうです。

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