2020年1月26日、東京・両国国技館で開催された大相撲初場所は、誰もが予想し得なかった歴史的な結末を迎えました。今場所の主役となったのは、番付の一番下にあたる「幕尻(まくじり)」から快進撃を続けた徳勝龍関です。幕尻とは、前頭の最下位に位置する力士を指す言葉ですが、彼は並み居る強敵を打ち破り、トップの成績で千秋楽の土俵へと上がりました。
そして迎えた結びの一番。異例の編成によって、徳勝龍関の前に立ちはだかったのが、看板力士である大関・貴景勝関でした。すでに自身の優勝の可能性が消滅していた貴景勝関にとっては、大関としての威信とプライドをかけた極めて重要な一番となります。しかし、国技館全体が奇跡の瞬間を期待する独特な熱気に包まれる中、運命の取組が始まりました。
立ち合いから徳勝龍関の凄まじい勢いに圧倒された貴景勝関は、終始劣勢を強いられる展開となります。最後はそのまま力強く寄り切られ、目の前で幕尻優勝という快挙を見届ける形となってしまいました。勝負が決した瞬間、館内は大歓声に沸き立ちましたが、敗れた貴景勝関の表情には、言葉にできないほどの悔しさが滲み出ていたのが印象的です。
試合後のインタビューで貴景勝関は、情けないと自分を厳しく責め立て、このような相撲を取っているようでは大関の資格などないと、胸の内にある自責の念を吐露しました。最高位を目指す者としての強い責任感が、この言葉から痛いほど伝わってきます。私は、この敗戦こそが彼をさらに強くする糧であり、大関という地位の重さを知る者だからこその美しい姿勢であると感じました。
この劇的な結末に、SNS上でも大きな反響が巻き起こっています。ネット上では「徳勝龍の涙に感動した」という祝福の声が溢れる一方で、「敗れた貴景勝のコメントが武士のようで格好いい」「この悔しさをバネに次場所は必ず賜杯を抱いてほしい」など、大関のプライドを称賛し、今後の復活を期待する熱い応援メッセージが多数寄せられていました。
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