過激派組織「イスラム国」、いわゆるISが再び不気味な動きを見せています。彼らは2020年1月27日にインターネット上で声明を発表し、イスラエルやユダヤ人を狙った大規模な襲撃を予告しました。この電撃的な発表は、トランプ米政権が新たな中東和平案を公表する直前という、絶妙なタイミングで行われています。自分たちの存在感を世界へ強烈にアピールし、国際社会を揺さぶろうとする狙いが透けて見えるでしょう。
ネット上やSNSでは、この突然の戦闘呼びかけに対して「終わりのない恐怖がまた始まるのか」「中東の平和がさらに遠のいてしまう」といった、悲痛な声や警戒を強める書き込みが相次いでいます。前指導者であったバグダディ容疑者が米軍の作戦によって殺害された後、ISは一時的に弱体化したとみられていました。しかし、新リーダーを擁立して着実に復活のチャンスをうかがっていた事実に、多くの人々が衝撃を隠せないでいます。
ここでISが阻止を試みている「世紀のディール(世紀の取引)」について解説しましょう。これはトランプ米政権が主導する中東和平案の通称であり、長年対立が続くイスラエルとパレスチナの問題を解決するための極秘プランです。しかし、中身はイスラエル側にかなり有利な内容と噂されており、パレスチナ側の反発は必至とされています。ISはこの不満が渦巻く混乱に付け込み、支持を拡大しようと画策しているのでしょう。
イギリスの有力紙などの報道によれば、ISの新指導者は組織の創設期からのメンバーであるアミル・サルビ氏であると特定されました。2020年1月27日に発せられた命令も、この新しい首領の意志を反映したものと伝えられています。最高権力者が交代しても組織の凶悪な思想は変わらず、むしろ新しい体制のもとでより過激な活動に乗り出す危険性が高まっており、決して油断できない局面を迎えたと言えます。
一方、アメリカのトランプ大統領は2020年1月27日、ワシントンでイスラエルのネタニヤフ首相らと相次いで会談を行いました。和平案の具体的な中身について説明を進めており、早ければアメリカ東部時間の2020年1月28日の昼にも正式発表される見通しです。情報によれば、ユダヤ人入植地におけるイスラエルの主権を認める代わりに、聖地エルサレムを首都としてパレスチナ側にも認めさせるという、極めてハードルの高い条件が含まれています。
かつてシリアやイラクで広大な領土を支配したISですが、有志連合の掃討作戦により、一時は拠点の大部分を喪失しました。しかし、米軍の撤退表明によって生まれた「力の空白地帯(統治が及ばず治安が著しく悪化した地域)」を利用し、シリアなどで再び勢力を盛り返しています。さらに、イラク国内のデモによる混乱や、アメリカとイランの軍事的対立によって掃討作戦がストップしたことも、彼らの復活を後押しする結果となりました。
数多くの外国人戦闘員が今なお潜伏しており、国際社会への脅威は依然として消え去っていません。ヨルダンのアブドラ国王も2020年1月中旬のインタビューで、ISがシリアやイラク、さらには北アフリカのリビアで確実に復活しつつあると警鐘を鳴らしました。前リーダーの死亡による打撃は限定的であり、彼らは時代や地域の混乱を巧みに利用しながら、何度でも姿を変えて蘇ろうとする執念深さを持っています。
編集部としては、今回のISの声明を単なる脅しとして片付けるべきではないと考えています。中東の安定は巡り巡って世界のエネルギー情勢や経済、そして私たちの安全な暮らしにまで直結する重要な問題です。新リーダーのもとで再び牙を剥き始めた過激派組織に対して、国際社会が一致団結して包囲網を敷き直せるかどうかが、今後の平和を左右する大きな分かれ道になるのではないでしょうか。
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