消費増税の実施から2ヶ月が経過した2019年11月ですが、その影響は未だに色濃く残っているようです。日経MJが発表した2019年11月の百貨店実績によると、主要10都市の売上高は前年の同じ月と比べて5.7%減と大きく落ち込みました。全国的に厳しい状況が続いており、増税による買い控えの動きが深刻化している様子が伺えます。
さらに追い打ちをかけたのが、例年にない記録的な暖冬です。11月になっても気温が下がらなかったため、冬の主役である衣料品の売り上げが激しく苦戦しました。SNS上でも「コートを買おうと思ったけれど、全然寒くないから見送った」「秋服のまま過ごせるので新しい服が必要ない」といったリアルな声が多数上がっており、季節外れの暖かさが消費者の財布の紐をさらに固くしてしまったようです。
神戸では1割超の激減!日本全国の主要都市が揃ってマイナスに
地域別のデータを詳しく見てみると、その深刻さがより鮮明になります。特に落ち込みが激しかったのは神戸で、前年同月比11.1%減という2桁のマイナスを記録しました。続いて京都が7.6%減、福岡が7.5%減、大阪が6.9%減、札幌が6.1%減となっており、全ての主要都市で前年の実績を下回るという異例の事態に陥っています。
一方で、商品別の動きには明暗が分かれました。高級な時計や宝飾品、化粧品などの「雑貨」は10.3%減と最も大きなダメージを受けています。また、バッグや靴といった「身の回り品」も9.7%減と元気がありません。これらの贅沢品や嗜好品は、増税による心理的負担が真っ先に影響したと考えられます。
しかし、その中で唯一踏みとどまったのが「食料品」です。前年同月比で0.6%減という微減にとどまりました。これは、生活に欠かせない食品類に対して税率を8%に据え置く「軽減税率」が適用されているためです。税率が変わらない安心感から、デパ地下などの食品売り場は比較的安定した賑わいを保てたのでしょう。
私はこの結果を見て、消費者の皆様が非常に賢く、そしてシビアにお金を使い分けていると感じました。日常の食事にはお金を使いつつも、服や高級品に関しては徹底して「今は買わない」という選択をされています。単なる不況というよりも、増税をきっかけに生活防衛の意識が一段と強まった結果だと言えます。百貨店側も、これからは単に高級感やトレンドをアピールするだけでなく、消費者が「今、どうしても欲しい」と思えるような、価格以上の絶対的な価値を提案していく必要があるのではないでしょうか。
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