【新型コロナ】武漢からチャーター機で206名が帰国!緊迫の舞台裏と政府が下した異例の決断に迫る

中国の湖北省で急速に拡大している新型コロナウイルス感染症。この未曾有の危機に際し、現地に滞在していた日本人など206名を乗せた民間チャーター機が、2020年1月29日の早朝に羽田空港へ無事到着しました。感染症のパンデミック(世界的な大流行)を前に、国家がこれほど大規模な国民の救出劇に踏み切るのは過去に例がありません。発信地である武漢市では鉄道やバスなどの交通網が遮断されており、緊迫した状況が続いています。安部晋三首相は帰国を望む声が跳ね上がると予見し、この異例の救出作戦へと舵を切りました。

水面下での模索が始まったのは、2020年1月23日に武漢市が都市封鎖を断行した直後でした。安倍首相はすぐに現地の日系企業から情報収集を開始し、翌日の2020年1月24日には閣僚を集めて安全確保を指示します。外務省は陸路での脱出など複数のルートを練っていましたが、当初は「まだ即座に避難すべき段階ではない」と、どこか慎重な姿勢を崩していませんでした。しかし、週末にかけて世界中で感染報告が相次ぐと、政府内の空気は一変して強い危機感へと包まれていくことになります。

さらに、SNS上では武漢の病院に患者が殺到してパニックになっている動画が瞬く間に拡散され、日本国内でも不安の声が爆発しました。ネット上では「一刻も早く助けてあげて!」「政府の動きが遅すぎるのではないか」といった厳しい意見や、迅速な対応を求める声が相次いでトレンド入りする事態となったのです。こうした世論や自民党内からの激しい突き上げを受け、安倍首相は2020年1月26日の夕方、ついに「帰りを望むすべての人が戻れるようにしよう」と、強い覚悟でチャーター機の派遣を最終決断しました。

国内への感染拡大を懸念する慎重派の声もありましたが、リーダーとしてのトップダウンによる判断は見事だったと感じます。国家の最大の責務は国民の命を守ることであり、今回の迅速な救出決定は評価されるべきでしょう。決断からわずか3時間後には、茂木敏充外相が中国の王毅外相と会談を行い、日国間の調整が急速に動き出しました。しかし、ここからが本当の試練の始まりだったのです。

首相の表明後、外務省にはそれまで把握していなかった在留邦人からの悲痛な連絡が殺到しました。2020年1月26日時点で430人だった帰国希望者は、わずか2日後の2020年1月28日朝には650人にまで膨れ上がったのです。さらに、パニック状態の中国当局との折衝は困難を極めました。日本側は一度に全員を運ぶために2機の派遣を求めましたが、各国の救援機が殺到する武漢空港の受け入れ能力は限界に達しており、中国側から許可されたのはわずか1機のみという厳しい現実が突き付けられます。

政府専用機の投入を望む声もありましたが、定員が少ないため、より多くの人を乗せられる民間チャーター機という選択肢に絞られました。すべてのパズルが組み合わさったのは、出発当日である2020年1月28日の午前中でした。同日夜に飛び立った航空機は翌朝に帰還を果たしましたが、現地にはまだ400人以上の同胞が取り残されています。安倍首相は2020年1月29日の国会で、全員の帰国に向けて全力を尽くすと宣言しており、政府には最後の一人が日本の土を踏むまで、この強い意志を貫き通してほしいと切に願います。

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