2020年1月15日、大相撲初場所の3日目は国技館の観衆が息をのむ大波乱の展開となりました。角界の絶対的王者として君臨してきた横綱・白鵬関が、前日の遠藤戦に続き、平幕の妙義龍関に突き落としで敗れたのです。満員の客席からは驚きと興奮が入り混じった歓声が上がり、無数の座布団が土俵へと舞いました。2日連続で金星を配給するのは、2018年の初場所以来で自身2度目という信じられない事態を迎えています。
不戦敗という例外を除けば、3日目で早くも2敗目を喫するのは2015年の秋場所からおよそ5年ぶりの屈辱となります。最近は絶対的な強さにわずかな陰りが見え始めていたとはいえ、ここまでの連続失態は誰も予想していなかったでしょう。SNS上でも「まさか白鵬が連敗するなんて信じられない」「時代の変わり目を感じる」といった驚愕のコメントが瞬く間に拡散されており、ファンの間でも動揺が広がっている様子がうかがえます。
単調な攻め手が招いた敗戦と王者の苦悩
土俵下で熱戦を見つめていた境川審判長は、前日の手痛い黒星が精神的な影響を及ぼしているのではないかと分析していました。批判を集めがちだった「張り手」や「かち上げ」といった強引な技が通用せずに完敗したため、この日は基本に忠実な右差しを狙う戦術を選択したようです。しかし、その作戦が裏目に出たのか、普段の横綱らしい変幻自在な攻めが影を潜め、動きが非常に単調になっていた点が悔やまれます。
対戦成績で圧倒していた妙義龍関に動きを封じられ、得意の左前まわしを掴めず体勢が浮き上がった瞬間、防戦一方となりました。ここで「金星」という、平幕の力士が横綱を倒した際に得られる最高の栄誉と勝利給を相手に献上することになります。前足が出ずに両足が揃った一瞬の隙を突かれ、土俵に両手をついた姿は寂しげでした。通算50回目の優勝を目標に掲げた新年の本場所ですが、足の衰えを指摘する声も漏れ聞こえます。
2年前に連敗した際は、足の怪我を理由に翌日から休場を選んだ経緯がありました。今回も肉体的なトラブルを抱えているのか、あるいは年齢による衰えなのか、今後の動向から目が離せません。大横綱といえども、心技体のバランスを保ち続けることの難しさを痛感させられます。逆境に立たされた王者がここからどのように立て直してくるのか、ファンと共にその復活を信じて見守りたいところです。
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