2020年2月1日、静岡の金融業界において興味深い決算データが公表されました。2019年4月1日から12月31日までの期間において、静岡銀行の「実質業務純益」が前年同期比で11%増の432億円となったのです。そもそも「実質業務純益」とは、銀行が本来の業務である預金や貸出などでどれだけ稼げたかを示す重要な指標で、いわば銀行の真の実力を測る成績表と言えるでしょう。
今回の増益の裏側には、緻密な戦略が隠されています。株式の配当金が減少した一方で、国債を売却して利益を確保する運用が功を奏しました。さらに、人件費や店舗設備の減価償却費といった経費を徹底して抑制した姿勢も、収益を下支えしています。一方で連結純利益は13%減の329億円となりましたが、これは過去に計上した退職給付信託の減少や、貸し倒れリスクに備える与信関係費用が増加したことが主な理由です。
地域経済を支える銀行のリアルな現場
SNS上では、この結果に対して「厳しい経営環境の中で本業の利益を確保したのはさすが」「貸出金が順調に伸びているのは、地域経済が動いている証拠ではないか」といった冷静な分析が相次いでいます。確かに、貸出金の平残が8兆6901億円にまで拡大している点は、地域の中小企業や個人に対する資金提供が活発である証拠であり、金融機関としての社会的使命をしっかりと果たしている姿が浮き彫りになります。
静岡県内の他行を見ても興味深い動きがあります。清水銀行は実質業務純益が前年同期比で2.6倍の40億円に急増し、国債売却益の活用や時間外業務手当の削減で大幅な増益を達成しました。その一方で、静岡中央銀行は純利益が19%減となるなど、各行が異なる経営判断と市場環境への対応を迫られている状況です。マイナス金利政策が長期化する中、国債売却に頼らざるを得ない構造は、地方銀行全体の共通課題と言えるでしょう。
私個人としては、どの銀行も筋肉質な経営体制の構築に必死に取り組んでいる様子が強く伝わってきます。しかし、一時的な国債売却益だけではなく、今後はいかに持続可能な本業の収益モデルを築いていくかが、地域経済を支える彼らにとっての最重要テーマとなるはずです。2020年3月期通期の予想は据え置かれましたが、これからの厳しい市場環境を乗り越えていくための、さらなる変革に期待したいところです。
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